710(ななっとう)

精神遅滞ありのASDでフリースクールに通う長男と、手帳は小学校入学後に返納になったものの、個別級から普通級に転籍後に不登校、そこから頑張って受験して今は私立中に通うADHD次男の親です。

710(ななっとう)

精神遅滞ありのASDでフリースクールに通う長男と、手帳は小学校入学後に返納になったものの、個別級から普通級に転籍後に不登校、そこから頑張って受験して今は私立中に通うADHD次男の親です。

最近の記事

隣の寺内貫太郎一家

年の瀬、隣の家が親子喧嘩を始めた。 隣の家は令和の時代に珍しく、不平不満があると、親子兄弟男女構わず、 「どういうつもりだー!」とか 「ふざけるなー!」 とか怒鳴りあって物にもあたってドンガラガッシャンな寺内貫太郎スタイルのご一家で、年に3−4回ほど荒ぶるものの、翌日はゴミ捨てなどで出会ってもスッキリした笑顔で、 「おはようございます!」 などと声をかけてくださったりするので、死者も出てないようだし、このお宅の恒例行事なのだな、と認識していた。 しかし、ASD長男には今回

    • 18歳に恐れ慄く、発達っ子の親

      「18歳以降、行く所決まった?」 療育センター時代の同じクラスのママ友LINEが最近にぎやか。手帳B2が共通だが、子供はそれぞれASD、ダウン症、ADHDと様々。文科省認定の高校に行っている子もいれば、うちのようにフリースクール、特別支援学校、通信制と様々で現在高校2〜3年生。 18歳以降、行くところが決まっているのは文科省認定の高校に進めた1名のみ。大学を目指すらしい。あとは就労施設を探したり、職業訓練校を目指したり、うちのように高卒認定を受けて専門学校を目指したり。

      • 大正ギャル、ボーナスの謎を暴く

        私の祖母は大正生まれで、女学校を卒業して会社勤めなどせずに結婚した。 なので、会社勤めがどういうものかよく知らなかったし、昭和初期の会社の給与形態にも疎かった。 結婚数年後、祖母は新聞やラジオのニュースなどで世の中の会社はボーナスを支給する、ということを知る。だが祖父からそのようなものは受け取ったことがない。当時、給料やボーナスは直接従業員に手渡しで支給されるもので、給料袋はいつもちゃんと祖父から祖母に渡されていた。会社に聞けば教えてもらえるだろうが、祖母はそこまで行動的で

        • 違う違う、そうじゃなーい、ASDあるあるー

          ある日、駅前の交番から電話。 「長男君のことなんですが」 ついにやったかポリス沙汰、と七五調で身構える。なぜなら長男は学校で一番の問題児として有名(「ディズニーランドで停学橋を渡れ」参照)だから。一瞬で覚悟を決め、 「まじで手に負えないので法で裁いてください」 と言う準備も完了。が、何か様子が変。お巡りさんは苦笑していた。 「あのー、先月くらいから何度もこちらに落とし物を届けてくれるんですが、それがですねー、ヘアゴムとか、折り畳み傘の袋とか、今日は片方だけのカラー軍手で」

          今、高卒認定を受けても受からない自信

          フリースクール長男が高卒認定を受けている。再来年度卒業に向けてちょっとずつ受けているのだが、2回続けて日本史Aを落とした。はあっ!? 近現代史ねー、まあちょっとむずいけど、アレでしょ、板垣死すとも文明開花のおっぺけぺー、みたいなヤツでしょ? はいはいちょっと過去問お見せなさいな、と解いてみたところ、 最後まで解くの嫌になって途中リタイア。結果26問中12問しか取れなかった‥。及第点は公表されてないけど、半分くらいと言われている。だったら落としてる、日本の私。 解いていて

          今、高卒認定を受けても受からない自信

          ASD長男のクセスゴ仲間の交流

          ASD長男が、 「Aちゃんが夏休みのお土産くれたー」 ともらって来たのが、チップスターのりしお味。よく見ても、ご当地物でもなんでもない、スーパーで売ってるのと全く同じやつ。えええ? 「あ、Aちゃん、チップスターの工場見学とか行ったのかな?」 と聞いたら、 「日光だって」 出た! 日光で友達へのお土産を選んでて、偏食長男が食べられそうな物を、と考えた結果、どこでも普通に売ってるチップスターを選んでくれたのだろうか。ウケる。 ASD長男の通うフリースクールはASDやADHD

          ASD長男のクセスゴ仲間の交流

          ASD長男、「見通し」が独特すぎる

          「喘息の薬、無くなる前に言ってね」 と言いつつ、私がいつも在庫切れ1週間前くらいで気がつくのに、 今回に限って気が付かなかったのがいけなかったのか。 ASD長男、高卒認定試験の前日、旅行の前々日の夜というタイミングで、 「薬あとひとつになったー」 と言い出す‥。 よりによって、なんでこんなややこしい日まで黙っていたのか? 聞くと、うっかり忘れではなかった。旅行と試験がある事も覚えていた。 明日、試験だよ。明後日から旅行だよ? いつ診察&薬取りに行くのさ! そう問い詰める

          ASD長男、「見通し」が独特すぎる

          樹海に泊まる

          カーナビが示す道を行こうとしたら、杭が打ってあって通れなかったことってありますか? 樹海村にはあります。通り過ぎて、今度は目視で樹海村方面に伸びる道を発見したとて、これまた杭が打ってあって通れない。 旅人を拒否する村なのか! 「これ、イチかバチかで杭に突進すると、ふわっと行けるハリーポッターパターン?」 「我が名は、ななっとう! とか名乗んないといけなかった?」 などとドリーミンな打開策を講じてる最中に杭のない道を発見。でも、めっちゃ細い道で一度通り過ぎてしまい、Uターン

          「手帳持ちの子の教育にお金をかけるの?」

          これは『子供に過度なトライアルをさせてるだけで、自己満足なのでは?』的に非難めいて言われたことも、単純にびっくりされて言われたことも、両方ある。いずれにせよ、私はとんでもない物好きと思われているようだ。 長男は知的の遅れありのASDで手帳あり、次男は小学生の時に手帳は返却して今はただのADHD。2人とも療育センター出身者。 現在、長男はフリースクールに、次男は私立中学に行っている。2人ともよく頑張っているが、お金がかかって本当に大変。でも仕方がないと思っている。 私はI

          「手帳持ちの子の教育にお金をかけるの?」

          母、見知らぬお婆さんをトス上げする

          母は「なぜそんな目にあうの」とよく言われる人だ。 一番シャレにならなかったのは、輸血を間違えられた事だろう。私が赤ちゃんだった頃、母は手術をし、輸血となった。母の血液型はA型なのだが、術後目覚めると、輸血の袋にB型と書かれていたらしい。 「血液型が違う!」 と父に言ったが、そこに医師もいて、 「ちゃんと調べましたよ。手術の後で頭が混乱しているのでしょう」 と否定されたらしい。なんて恐ろしい。でも母はそんな訳はない、調べ直してください! と猛抗議して調べ直したら、やはりA型だ

          母、見知らぬお婆さんをトス上げする

          「給湯室の噂話」presented by 男性

          昭和の、オフィスが舞台のドラマって、OLが給湯室で噂話をしてそれが広まって、みたいな展開がよくあったけど、 「あれ、正確に書いてないよな」 と本当にどうでもいい事を発見した1個目の会社。時すでに平成だったし、うちの会社OLいなかったし、給湯室なかったけど。 社内のシャレにならない噂話、あれ、元を辿ると大体男性が流してるの、ちゃんと書いた脚本家はいたのだろうか。 OLなどいない我が零細デザイン会社においては、アルバイト学生とか、割と常駐してるフリーの方とかを使って、虚実混交

          「給湯室の噂話」presented by 男性

          自閉症児の親になってから「レインマン」をまた見てみる

          30年前に見た時と、全く違う印象になった。で、やっぱり面白かった。 まず、チャーリー(トム・クルーズ)が高級中古車販売の業者とは言え、車のスペックや販売台数など、めっちゃ細かい数字をベラベラ喋る。 「あっ、やっぱり兄弟だから傾向はあるんだ!」 いるいる、こういう兄弟児! リアリズムが半端ない。 チャーリーがたびたびイラつき、キーってなって同じ単語を繰り返すところも、今は、 「傾向じゃん」 と思うが、公開当時は見てて 「テンション高いなぁアメリカ人」 位で気にしてなかったと

          自閉症児の親になってから「レインマン」をまた見てみる

          ご近所アベンジャーズ

          実家の母から電話。 「なんか昨日窓を開けてたら、うちに猫が入り込んで、まだどこかにはいるんだけど、どこにいるのかわからないのよ」 猫大好きだが猫アレルギーの私には、羨ましいような、そうでないような。 「多分どっかの部屋で寝ているんだと思うけど、夜は窓を閉めるじゃない。おしっことかしたら嫌だなー、と思って」 確かにそれは嫌! 「端の部屋から押し入れを探しても、こっちの動きに合わせて猫も移動してるみたいで、見当たらないのよ」 入ってきた時の白っぽい足と尻尾しか見てないらしい。

          ご近所アベンジャーズ

          公立小個別級の先生に言われたこと

          長男は公立小の個別級からフリースクールに転校した。個別級が長男に合わなかったのが一番大きな転校理由だが、もう一つのきっかけが、個別級の担任の先生の言葉である。 「お母さん、文科省は個別級にいる障害児に勉強して欲しい、なんて思っていないんです。いつもニコニコして害がない近所のマスコット、それが文科省が望む障害児のあるべき姿なんです」 当時個別級では、理科や社会は交流級で受けねばならなかった。 そわそわしてしまう長男は交流級で静かに座っていられずご遠慮下さいと言われて小3の時

          公立小個別級の先生に言われたこと

          世の中が少食なのか、私の胃袋が大きすぎなのか

          永谷園「五目チャーハンのもと」の袋を見て驚いた。そこには「温かいご飯250g(茶わん2杯分)」とあった。 茶わん1杯が125gなんてことある? 小鳥? このチャーハン、小鳥用? 震える手で袋を隈なく見たが、人間用のようだった。世の中の人はお茶碗に125gのご飯が乗ってれば満足なのか? え? もっとあるように見えて自分のお茶碗もそんなものなのか? と、いつもの量をよそって測ってみると、209.5gだった。ちゃんと茶碗分の重さは引いてある。 このようなことはよくある。 子

          世の中が少食なのか、私の胃袋が大きすぎなのか

          無意識な人種差別

          年に何回か、 「自分は人種差別をしたのではないか?」 とひやっとする事がある。 ミックスドレース(“ハーフ“という言い方は好きではありません。2カ国だけミックスの子もそんなに多くないし)の子のお母さんたちの多くは、 「子供は常に“じゃない方”の人種的特徴を社会から指摘され続けて、健全なアイデンティティ確立が難しい」 と悩んでいる。日本で生まれ育っても、顔や髪の色が他の日本人より明るかったり暗かったりするので、 「君は本当は日本人じゃないんだよね?」 「将来はあっちの国に帰る

          無意識な人種差別