なぜ脱成長なのか 斎藤幸平
『人新世の「資本論」』の著者・斎藤幸平氏が解説。
なぜ今、これまではあまり顧みられることもなかった「脱成長」や「ベーシックインカム」、「人々のための量的緩和政策」のようなラディカルな提案に、入門書が求められるほど関心が集まっているのか。
その理由を端的に言えば、主流派の持ち駒のうちに危機的状況への打開策が見当たらないからである。
そして、その結果、ますます事態が深刻化しているせいなのだ。
繰り返される大量生産と大量廃棄、慢性化した長時間労働、広がり続ける格差、歯止めがかからない気候危機――。
今、際限なき成長を追求する資本主義の矛盾と限界が露呈している。これを解決する経済社会ビジョンとして注目されるのが、「脱成長」だ。
欧米で脱成長論を推進する旗手が、その基本的な考え方と実践例を紹介。
人々の意識変革を誘いながら、ベーシックサービスやケア・インカムの導入、コモンズの復権など、脱成長に向け必要な政策を論じる。
"常識"を破り、真にゆたかな社会を構想する画期的提言の書!
「本書の縦軸となるキーワードは、ウェルビーイング、平等、持続可能性だ。この3つのゆたかな可能性が理解できるなら、機能不全となりつつある近代の秩序による支配から、わたしたちはきっと脱出していける」――サスキア・サッセン(社会学者)
「脱成長は、21世紀のもっとも重要な思想のひとつである。本書はその思想がコンパクトにまとまっている。明快で、タイムリーで、今すぐ読むべき1冊」――ジェイソン・ヒッケル(人類学者)
「脱成長が経済だけの問題ではないことを、本書はありありと描き出す。脱成長とは、わたしたちがどう生きるか、どう行動するか、そしてどう世界を作っていくかという問題なのだ」――アルトゥーロ・エスコバル(人類学者)
「本書は、現状の否定や批判で終わらずに、その先へと大胆に踏み込んでいる。"で、僕らにできることはあるの"?という、よくある声に教育者としてどう答えればいいか、著者たちが見事な手本を示している」――マニーシャ・アナンシャラマン(セント・メリーズ・カレッジ・カリフォルニア教授)
Amazonより
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