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即興小説 3つのお題14 防災(二次創作 ゲ謎 水+父)

 こんにちは。日が開いてしまいましたが、また3つのお題をやっていこうと思います。
 今回はゲゲゲの謎でやろうと思います。よろしくお願いします!脚本調になってます。

水木:9月1日は防災の日で、9月は防災月間だ。
ゲゲ郎:ほう。
水:なので、非常袋を見直そうと思う。
ゲ:防災の日とは?
水:ずっと昔に、関東大震災というとても大きな地震があったんだ。それで、たくさんの人が怪我をしたり亡くなったりしたから、忘れないようにまた来るかもしれない地震に備えて、避難訓練をしたり防災について確認しよう、という事から防災の日ができたらしい。
ゲ:水木は物知りじゃなあ。
水:ではさっそく、家の非常袋を見てみよう。何年か前は定期的に見ていたが──
ゲ:どうしたんじゃ?
水:(袋を手に取り)こんなに少ないのはまずいよな。
ゲ:何が入っておる?
水:(中から品物を出しながら)ラップ、軍手、新聞紙の活用法が書いてある広報、マッチ、パスタ、ホイッスル、レジ袋……(と、手が止まる)
ゲ:どうした?
水:10年前の俺と母さんの写真が出てきた。
ゲ:これは──本人と分からんかもしれんのう。
水:今度4人で写真を撮るか。
ゲ:それはいい事じゃ…というか、儂(わし)達も家族扱いなのか?
水:?当たり前だろ。
ゲ:水木は男前じゃのう。
水:何言ってんだよ。さて、次は…絆創膏(ばんそうこう)、ウェットティッシュ…
ゲ:待て待て。うぇっとてぃっしゅと言うが、パンパンになっておるし綿のように軽い。これは濡れとらんじゃろう。
水:そうだな。
ゲ:目を逸(そ)らすでない。これは新しいものと替えるのじゃ。
水:分かったよ。…じゃあ次。
プラスチックのお皿が3枚。
ゲ:家に居るのは?
水:鬼太郎も入れて、4人。
ゲ:じゃあ、足りんのう。せめてもう1枚。
水:了解。
──防寒・保温シート。
ゲ:1枚だけじゃのう。
水:もう1袋防災袋があったぞ(と持ってくるが)
…入ってないな。
ゲ:あと3枚は必要じゃの。それか、儂(わし)と鬼太郎で1枚でも良いが。
水:寒い季節は駄目だろう。あと3枚買っておく!
ゲ:すまんのう。
水:それから……食料がパスタしか入っていない。
ゲ:お湯がなかったらアウトじゃの。
水:ぐっっ。
ゲ:水を沸かせるかどうかもわからぬしな。第一、水がなかったらお手上げじゃ。
水:前はビスコの缶とかもあったんだよ! 期限が切れて、しょうがないから消費して……
ゲ:そのまま補充を忘れておったな。お主、死相が出ておるぞ。
水:怖いこと言うなよ。ちゃんと買い足しておくから。
ゲ:(顎(あご)に手を当てて)非常食か…ちょっと待っておれ(と、どこかへ行く)
水:?
ゲ:これはどうじゃ。
水:は? え、スイカ…?
ゲ:これを袋に入れておくのじゃ。いい考えじゃろう。
水:待て待て、こんなでかいの入んねえよ。第一どこから持ってきた?
ゲ:裏の畑に成っておったが?(と首をかしげる)
水:それは!人のものだ! タケダさん家のものなの!!
ゲ:持ってきたらいかんのか?
水:タケダさんが苗を植えて育てたの! お前のものじゃないだろ!?
ゲ:…そうじゃったのか。勝手に生えていると思うて持ってきてしもうた。(と、しゅんとする)
水:…もう今日は遅いから、明日俺が返しておくよ。
ゲ:すまんのう。台所に置いておこうかの(と持っていく)

と、「あーー!!」という悲鳴。
水:どうした?!

水木が台所へ行くと、真っ二つに割れたスイカと呆然としているゲゲ郎。
ゲ:つまずいて、落とした拍子に割れてしもうた…

ゲゲ郎は半泣き。
水:あーもう! 買って返すからもうお前は何もすんな!
ゲ:すまんのう水木…
水:もうやった事はしょうがねえから、とりあえずスイカだけ拾ってくれ。

と、ポリ袋に入れていく。
水:派手に割ったなあ。

しゅんとするゲゲ郎。
水:まあ気にすんな。…ハハ、惨殺現場みてえ。

ふふ、と2人で笑う。

ゲ:あの時みたいじゃのう。2人とも血だらけじゃったもんなあ。
水:(うなずいて)食べられそうなのは洗って、明日のおやつに食べるか。鬼太郎は食うかな。
ゲ:形など気にせんよ。明日が楽しみじゃな。

 そんなゲゲ郎を見て、少々手はかかるけどこんな毎日も悪くないな──と、水木は思った。

  了

 3つのお題で小説を書く
 すいか、非常食、惨殺

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