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アビスパの生みの親 旅立った菊さん                 


     

福岡市民50万人の署名を集めて、日本のサッカー発祥の地と言われる静岡県藤枝市からチームを誘致したのは1995年のことだった。当時の桑原敬一福岡市長は藤枝市民を前にこう約束した。「花嫁をもらう気持ちで大事に育てていきます」

この言葉に、人目をはばからず涙を流した男がいた。監督をしていた元日本代表の菊川凱夫(きくがわ よしお)さん。警備会社の愛好会だったチームを日本プロサッカーの最高峰、Jリーグへ導いたアビスパ福岡の生みの親である

純粋で人情味があり、みんなから「菊さん」と呼ばれ愛され、晩年は保育園の子どもたちとボールを追いかけていた。2022年12月7日、故郷の藤枝に戻り、天に旅立った「菊さん」。泉下でも、トレードマークの口髭を生やして、ビッチを駆け回っているに違いない。

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