昨日支払いをするときに、初めて、自分の財布の中に新しい五千円札があることに気づいた。 何かのおつりでもらって、確認せずに財布に入れてしまっていたのだろう。 今までのお札と色味が違い、なんだか偽札みたいに見える。 着物を着た女の人の表情がいかつい。 あの人は、このお札を知らない。 このデザイン、このびかびかした感じについて感想を言うチャンスはない。 あの人が知らないことが、また増えた。 淡々と確認する。 もう習慣のようなものだ。 亡くなってしばらくは、新しく起こることの何もか
お昼に渋谷で神座の「おいしいラーメン」(前からこんな名前ついてたっけ?)を堪能し、ホテルに荷物を預け、汗だくになりながら、自由ヶ丘へ。 2人の大好物の自由ヶ丘ロールを手に入れ(やった!)、そのまま東横線で山下公園へ。 アイスコーヒーを調達し、夕暮れまで空の色を見ていた。 タツヤとはもう長い付き合いで、お互い焦った盛り上がり方をすることはない。 タツヤは私の恋人だった人の、父親ちがいの兄だ。 恋人がこの世からいなくなってしまった次の日、私はタツヤに初めて会った。 全く覚えてない
新幹線で東京へ。 住んでいたころはよく渋谷に行った。 当時、日比谷線沿線のアパート住まいだったし、 何よら彼が渋谷に好んで出かけていたからだ。 騒々しくて、少し怖くて、ひとりではあまり行かなかったけど、思い出の多い街だ。 今回も彼は渋谷を指定してきた。 田舎暮らしに慣れきってしまった体で、渋谷の熱気に耐えられるか、不安だ。 なんせこの酷暑だ。 早くもだるくなる。 車内は満席だ。 窓に映る景色をずっとずっと見入っている。 ここに生まれここに住む自分を想像する。 畑の間の道を
昨日、職場の近くの植え込みから、草刈機を使う音が聞こえた。 低いモーター音。 男の人が2人.明るく声を掛け合いながら作業を進めていた, 今日、その場所を通りかかった時.鳩が20羽くらい集まって、せわしなく地面をつついていた。 猛暑の中、そこは少し木陰になっていて、それでも、あれだけ動けば暑かろうに、夢中につつく。 高く生い茂った草がなくなり、土の表面に、虫がわさわさ出てきているのか。 急な環境の変化に、鳩の襲来、虫もたまったものじゃないだろう。 夏の鳩はスマートだ。 すっきり
7月16日 雨が降ったりやんだり。 通勤途中にアスファルトの上にキラリと光を感じ、しゃがんで見ると、小さく絡まったネックレスだった。 小さな水たまりからつまみあげてみると、それはするするとまっすぐに解けた。 長方形の無色の石が、横長になっていて、両端から細い金の鎖がつながっている。 落としたのだろうか捨てたのだろうか。大事なものだったんだろうか。 少し迷って、歩道と車道を隔てる、白い柵のポールに引っ掛けるようにして置いた。
7月15日月曜日 3連休はずっと雨だった。 今日も朝から雨で、その気楽さから、いつまでもベッドから離れられず、午前11過ぎまでダラダラと過ごした。 昨日借りた映画を流しながらぼんやりとコーヒーを飲む。 絵の上手な女の子が画家になり、いろいろあって自殺する。 何度観たかわからない映像を追いながら、今回もやっぱり死んでしまうんだなと思う。 何度も観ていたら一度くらい死なない回があってもいいような気がする。 夕食はレトルトのカレーにした。 明日からの仕事を思う。 とてもめんどく