花咲いて冬

日々の気温が撫で肩のように下がっていく今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
三寒四温なんて言葉も御座いますが、三寒を何度も繰り返したこの後は、やめて欲しいと思う程に四温が続くのでしょうね。
……それは夏では?
いいえ、まさかそんな単純なことはあるまいて。
近頃はあまりの寒さに頭痛が止まらず目覚まし時計の要らない生活になりました。
健康的な生活をしているのに、まったく健康でないのは何故でしょうね。
長年の不養生が祟ったのでしょうか。
お天道様は何も答えてはくれません。
代わりと言わんばかりに紫外線で目を焼いてくるものですから、最近はサングラスでも買おうかと検討しているほどです。
ボサボサの髪を隠すために帽子を被り、日光から目を守るサングラスをかけ、世間の必需品から外されつつあるマスクを着ければあっという間に不審者です。
これも不養生だからでしょうか。
これは不精者だからですね。
そんな不届者を世に生まないよう、心には常に安らぎを置くのが良いと最近は思う次第でありまして。
理由の如何としては、ウチに届いた梅の枝の話になりまして、以下は数日前へ遡ることとなります。
その頂き物である梅の枝の根元を切り落とし砂糖水に漬け、寒さに気を付けながら置いておくこと数週間。
ついに先日、小さいながらも見事に一輪の華を咲かせてみせたのです。
2月も初週の寒さに耐え、可憐に咲いた花の横には次を待つ蕾がポツリと1つできていたものですから、これはもう期待に弾む胸を膨らませ踊り狂う気持ちになったわけです。
ウソです。
流石でなくとも言い過ぎました。
本当は踊り狂ったくらいです。
とはいえ。
幼いものには庇護欲が湧くように。
綺麗なものには潔白さを感じるように。
物言わぬ何かには愛着を抱くように。
つまり何が言いたいのかといえば、厳しい寒さの中であっても、空調によって整えられた環境下では花開くので、心にもゆとりと甘えが必要だという身も蓋もない事で、そんな身も蓋もない事こそ大切にするべきなのでしょうね。
なんて、いい話でも書いているようで何の為にもならない身も蓋もない話でした。


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