見出し画像

おうち(建物部分)の資産価値について思うこと

日本のお家は、築30年経てばウワモノ(建物)の資産価値はゼロ円になるらしい。だから「高いお金を払って戸建を買うのは、馬鹿らしい」という考え方もある。

でも、果たしてそうなのか?

では、歌はどうか?30年前に200万枚を売った名曲が、令和4年の今日、未だに全国民に口ずさまれているかといえば、そんな事はなく、もはや口ずさむのことも恥ずかしい懐メロになっている曲も多数ある。
しかしながら、同時に「運命のターニングポイントとなった1曲」というものは、誰しも心の中に数曲あるのではないだろうか。たとえその曲は世間的には無名な曲だとしても、その人の人生にとっては「かけがえのない曲」であり、何年経ってもその価値は、揺るがない。

またお家の話に戻るが、「結果的に資産価値ゼロになったお家に住んだ家族」にとって、喜怒哀楽を共にしたその思い出の『舞台』ともなったお家は、たとえ資産価値が0円となったとしても、かけがえのない空間なのではないだろうか?

私が産まれた富山県東部のお家は、母体は築50年以上。間違いなく資産価値は既にないと思われる。35年ほど経つ改築部分と、リフォーム部分もあるが、そこで過ごした時間は、今の私にとって思い出溢れる生家であり、私の家族観や物事の考え方の大部分を司るのは、このお家で家族と過ごした時間だ。

大学時代に4年間住んだ風呂なしエアコンなしで家賃3.3万円のアパートは、環境としては過酷でしたが、最高の思い出しかない。

結論:物事の価値は「資産価値」だけではない。そんなものは客観的な価値尺度のひとつに過ぎない。

自分にとって、自分や家族が幸せになれるものこそ、価値あるもの。自分の気持ちがぶち上がり、心が豊かになるものが、イコール国民全員にとってもそうであるということは、決してない。周りのみんなに最高と言われているモノが、あなたにとっては「別に…」な場合もあるでしょう。

そういう価値観も、住まいを考える際には、尊重されるべき大事な考え方であると思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?