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ひとりで一杯引っ掛ける夜

手狭な賃貸アパートの、玄関入ってすぐのウォークインクロゼット(約1畳半)が、わたしの部屋です。
子供達が寝静まったあと、洗濯物を畳んだり干したりして、最後にそこで本を飲みながら一杯引っ掛けるのが、最近の楽しみです。

今読んでるのは、司馬遼太郎さんの随筆「司馬遼太郎が考えたこと」2。エッセイ集なので、さくっと一話読みながらチビチビと日本酒コップ酒を味わって、そしてそそくさと寝る。飲むのは、頂き物の普通酒。あては、奥様のご実家お手製のたくあん。床はクッションフロアにスノコが敷いてあり、そこにあぐらをかく塩梅。

時代小説の巨星が手がけるこのお本、言わずもがなではあるが見識とセンスに溢れてて、何度読んでも飽きない。それらをひけらかす訳でなく、わたしのような知識おっつかない相手にも、分からないなりにわかったふうな顔をして聞く態度を容赦いただける懐というか、味わいがあるのだな。その語り口が、いい。司馬さんの話を、コップ酒片手に横で伺う感じ。

こういうふうに私も、懐というか奥行きがある人間になりたいなぁ、なんて憧れるわ。さて。寝よ。

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