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またこんなものしか作れなかった
何かを生み出そうとして、毎日机に座る。膨大な時間を費やしてどうにか完成させたものが、誰にも届かなくてそのたびに自分の中の何かがすり減っていく。
一つ生み出すたびに後ろを振り返る。そこには空白の時間が広がっていて、思わず目を背ける。その場から動けなくなって、しばらく立ち止まるが、ずっとその場にとどまってもいられないから、また歩き出す。それの繰り返し。
この道がどこに続いてるのか誰も知らないし、もしかしたらどこにも通じていないのかもしれない。もういっそ全部投げ出すのも考えたが、なんだかんだ今の今まで続けてきた。
続けている理由は、もうただの意地だ。引こうにも引けないただそれだけ。
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今は未開の地を彷徨いながら、お宝を探しているところだ。その宝がどんなものなのかは分からない。宝石か或いは絶滅した生き物の化石か。
この土地は同じような景色ばかり続いていて、すぐ道に迷ってしまう。その上霧に覆われていてすこぶる視界が悪い。だから一応来た道には目印をつけるようにしている。
そして地図も作成中だ。結局宝が眠っていなかったとしても、この地で彷徨ったことに意味を持たせたいから。自分が道に迷わないようにするためでもあるし、成果物でもあるわけだ。
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