初めて見た記憶

見るということと描くということはつながりがある。見えるから描くというつながりもあれば見えないから見えるように描くということもある。ただ見えるという視覚的なところから視野であったり視点であったり様々は見えることの周りのことが描くことに密接に関係しているよう思う。そんなこんなで記憶というのは年とともに次第に薄れていくこともあったりするので、今は実感としての初めて見たは薄れてしまったが、代わりにはっきり覚えていたときに言葉として残っていた初めて見た記憶について書いておこうと思う。

私が初めて何かを視覚的に認識したというのは記憶に残っていることを遡っていくと何もない目の前に明るい(光?)の洞穴みたいなものが現れたことを覚えている。小さい頃の記憶は全て断片的に覚えているものが多く、思い出す限りその断片は一番奥にあったもののように思われた。もっとのちの見た記憶としては、手で何かを掴んだ記憶だったり、幼稚園に通っていた頃に連れていかれた歯医者さんで見たテレビに映し出されたアニメーションだったりと具体的なものだったりもしたのだけど、その一番奥?にあったものはそんな感じのもだった。

その記憶はずっと覚えていたものではなくて、小学校2年生の夏に実は道路で事故にあったことがあったのだけど、そのときに車にぶつかって自分は飛ばされて、後ろのブロック塀か何かに頭をぶつけて記憶と視覚が飛んで、見えなくなって、そのときに布団の中で横になっていたらグレーの薄明るい世界の中に明るい光のトンネルのようなものが見えてきた記憶があったのだけど、そのときにその目の前の光景にどこか懐かしさを覚えたときに気になって色々とそれまでのことを考えて見たら、もっと小さい頃らしき似たような光景の記憶が思い出されたことでいつか見た記憶だったのだろうと思ったのがそれを思い出したときのきっかけだった。

ただそんな感じの記憶なので、本当の自分のすごく小さい頃の記憶なのかは定かではないし、今はもうその記憶が確かなものなのか確かめるすべもないものだ。とはいえ自分にとっては「ない」ところから「ある」が出てくる。あるいは「ある」が始まったという何か強烈なイメージがる。それは単に見えるということだけではく認識するということの始まりときであったのかもしれない。


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