#19 ジャケットに載らなかった名曲!? The Clash「Train in Vain (Stand by Me)」
RADIO BERRYで放送中の「ミュージックメモリー 〜音楽のSDGs」担当のケンです。
今日ご紹介するのはThe Clash「Train in Vain (Stand by Me)」です。
セックス・ピストルズ、ダムドなどと並んで、パンク・ロックの始祖的存在である彼らの名盤「ロンドン・コーリング」のラストを飾る名曲ですが、実はこの曲は、長らく隠しトラックとして扱われてきました。
セックス・ピストルズのライヴに刺激を受け、結成された彼らはパンク・ロックの名盤「白い暴動」で荒々しくデビュー。
ピストルズのように反体制的な姿勢を取るまでは同じでしたが、レコード会社、国、果てはファンまでも敵に回す天真爛漫なピストルズとは違い、クラッシュは政治的メッセージソングを黙々と発表。
そのせいかはわかりませんが、毎夜毎夜浮き名を流していたピストルズのアルバムは1作だけのところ、クラッシュは5作。
パンクにあるまじき(?)真面目さを感じますね。
特筆すべきは5作の中の1枚「ロンドン・コーリング」は2枚組、「サンディニスタ」はなんと3枚組という非常に創作意欲にあふれたバンドだったことが分かります。
そんな「ロンドン・コーリング」の最後を飾る「Train in Vain」ですが、元々はアルバムに入れる予定は無く、アルバムジャケットを印刷してしまった段階で急遽入れることになったため、曲目に表記がなく隠しトラック扱いとなってしまいました。
ファンの間では「Stand By Me」という歌詞が入っていることから通称「Stand By Me」として扱われ、その後、公式の副題に逆輸入されるなかなか見ない事例になりました。
3枚組の「サンディニスタ」の後にリリースされた「コンバット・ロック」も元は2枚組だったというエピソードもあり、「Train in Vain (Stand by Me)」はザ・クラッシュの溢れんばかりの創作意欲がアルバムから溢れてしまったことを分かりやすく示した曲なのかもしれません。
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