国際的な会計基準と財務会計と税務会計その1

一口に経理と言っても様々な機能があります。売掛金担当、買掛金担当、固定資産担当、その他もろもろ。それに加えて全体の財務諸表を管轄する機能、これに関しては日本語で適切な言葉が浮かばないのでGL(ジェネラルレジャー)担当と表記します。
これらはいわゆる財務会計と言われる範疇に含まれます。いわゆる財務諸表を作るための職種です。
これらは日常の経理的事情を管理し、最終的に決算をし、上場会社なら有価証券報告書作成のための中核となる業務です。
いわゆる財務会計のほかに、税務申告を司る税務会計があります。
いわゆる財務会計の会計処理と税務申告を司る税務会計の概念には大きな隔たり何あります。
ざっくりした事例を挙げるとすれば、例えば貸倒引当金、これは会社ごとに過去の実績に基づき会計基準にのっとりある程度の裁量に基づいて財務会計では計上可能です。
一方で税務会計では税法に基づいて損金参入できる額が制限されます。
乱暴な例えですが、例えばA企業は今年1000万掛け売りしました。これまでの実績から算出すると100万は回収できてないので貸倒引当金を100万計上しました。
しかし税務会計ではこの全てを税務申告上の損金として扱わない場合があるのです。
税務署が、いやいや、100万貸倒れはないでしょ?せいぜい税務申告上は50万までしか認めませんよ、ということがあるのです。
後々説明できたらと思いますがこれが税効果会計が求められる理由です。
財務会計における会計基準は、世界的に共通化しようという動きが数十年前からあり、世界の会計に大いなる影響を与えるアメリカの米国会計基準とイギリス、EUが提唱する国際会計基準、いわゆるIFRSがまるで机の下で足で蹴り合いをするが如くその主導権をめぐって争いながら徐々に共通化しています。いわゆるコンバージェンスと言われる作業です。
二大経済主導権がこうした動きをしている以上、日本を含む会計への影響力の乏しい国々は、二大経済勢力圏が決めた新しい会計基準を取り入れざるを得ない状況が続いています。
しかしながら、国際的に決まってしまった会計基準をそのまま取り入れる訳にはいきません。
なぜならどこの国も税法が異なるからです。
(続く)

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