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第4章:浪曲 時空を渡る乙女の唄

(三味線の前奏)
チン・チン・チーン♪

さあ、聴いてくだせえ、みなさん
不思議なお話、始まりますよ
時を越えた乙女の冒険譚
ジャンヌ・ダルクとゆう乙女のお噺で

(三味線)ツン・ツン・ツーン♪

エエ、銀座の街に降る雨の中よ
鎧つけたジャンヌは立っておりやす
となりゃ神社の巫女、お名は桔梗
レミとゆう若者も、おどおどとしとる

(三味線)チャン・チャン・チャーン♪

そこへ現れた黒塗りの車から
ザッと降りたは、いやはや公安の刑事
高木とゆうお方、煙草ふかして
鋭い眼光で辺りをキョロキョロ

「おい、ジャンヌ・ダルク!」
高木の声が、夜の闇を切り裂く
「お前の運命、変えに来たのか?」
ジャンヌびっくり、口をパクパク

(三味線)ツルン・ツルン・ツルーン♪

そこへ現れた黒装束の一団
胸には「天啓会」の紋章がキラリ
「我らこそは歴史を正す者なり!」
ジャンヌを狙って、ザザーッと襲い掛かる

高木刑事は叫ぶ「させるかー!」
ジャンヌをかばって、刀を抜いた
おや?現代に刀とは珍しや
時空担当官の秘密の武器

(三味線の激しい間奏)
ジャーン・ジャカジャカジャーン♪

刀と科学、入り混じる闘い
ジャンヌは迷いながらも剣を振るう
「私は、私はどうすればよいのか」
天を仰いで、乙女は叫ぶ

そのとき不思議、空が裂けた
まばゆい光が、ジャンヌを包む
「我が愛しき娘よ」神の声か
それとも未来からの、メッセージか

(三味線)チン・チン・チーン♪

さあ、ここで一段落、お茶を召せ
次はどうなる、乙女の運命
時空を守る者たちの戦い
歴史を変えんとする者との対決

これからどうなる、まだまだわからぬ
次の段を、どうぞお楽しみに
(三味線の締め)
チン・チン・チーン・チン♪