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エオランデは小さなテーブルの上で地図を広げた。その地図には黒い指紋が一つ、ダンの指紋だ。彼がこの世を去る際に、その指で地図に触れた。その瞬間、何かを伝えたかったのか、それとも単なる偶然か。エオランデにはわからなかった。

「ダン、君が何を伝えたかったのか、私にはわからない。しかし、この地図が示す場所に行くことで、何かが解決するのかもしれない。」

エオランデは地図を丁寧に折りたたみ、ナイフの束のからくりに戻した。その後、彼女は旅支度を始めた。長い剣、弓と矢、そして必要な食料。何度もこの支度をしてきたが、今回は何かが違った。新たな決意が彼女を突き動かしていた。

「行こう。何が待っているのかはわからない。だが、行かねば何も始まらない。」

エオランデはその言葉を心に刻み、扉に手をかけた。扉は軋む音を立てながら開いた。新たな旅が始まる。何を恐れることも、何を惜しむこともない。エオランデは遂に決意し、扉を抜け、新たな冒険へと足を踏み出した。

「ダン、君が残してくれたこの地図が何を意味するのか、私は見つけ出す。そして、君の死が無駄でなかったことを証明する。」

月明かりの下、エオランデは新たな旅路に足を踏み出した。その背中には、長い命と多くの別れ、そして新たな決意が重なっていた。