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連続テレビ短編ほのかな恋の物語ドラマ「峯山みどり」=節約の最前線でたちつくす=

「経理課ラブストーリー」

峯山みどり、27歳、独身、もちろん素敵な恋にはあこがれています。

火曜日の朝、欠勤明けの佐々木が、みどりさんに向け、さわやかな挨拶をしました。

「峯山さん、おはようございます」

佐々木が丁寧に声をかけた事に、みどりさんは驚きました。顔にはっきりとその驚きが現れています。

「妹さんご夫婦、とてもよい雰囲気でしたね。峯山さんの家族関係がうらやましく思えました。あの日の夕食も、いただいた梅酒もとてもおいしくて、本当にありがとうございました。素敵な一日でした。」

佐々木はそういうと、そそくさと仕事を始めてしまいました。引っ越しの手伝いの感謝を言わなければと思いましたが、何も言えません。

その日の午前中、みどりさんは混乱していました。昨日までの佐々木とは全く違う振る舞いに、戸惑いを隠せませんでした。しかし、彼の丁寧な態度と感謝の言葉に、心の奥底で新たな感情が芽生え始めていることに気づきました。自分自身がそれを認めるのは怖かったので、仕事に没頭しました。
佐々木と何度か顔を合わせるたびに、彼の変化に少しずつ慣れてはきました。以前の佐々木とは違い、今の彼は真剣で、心から自分に接しているように感じました。彼の新たな一面に引きつけられ、徐々に心が揺れ始めました。


休憩時間、佐々木が静かにコーヒーを飲みながら、一人で窓際に立っているのを見つけました。その姿に、自分自身がどう思っているのか確認するために、彼に近づきました。「佐々木さん、いつもと違いますね。」彼の変化について聞く勇気を振り絞り、声をかけました。
彼の答えを待ちながら、みどりさんは自分自身が少しずつ変わっていることに気づきました。彼に対する新たな気持ちが芽生えていること、そしてそれを受け入れ始めていることを認めざるを得ませんでした。

「そ、そうですか」

佐々木の返事はあっけないものでした。ですが、みどりさんはその佐々木の一言に、ときめきを感じたのです。

その日の終わり、彼女は自分の心の中に新たな感情が芽生えていることを認め、混乱と興奮の矛盾した感情に包まれながら家路につきました。次の日、何を話すか、どう接するか、それが今、彼女が考えるべき最も重要なことでした。

この一日で、みどりさんの心の中には新たな感情が芽生え、それが彼女の世界を変え始めていました。佐々木との関係は一夜にして変わり、彼女の心の中に新たなページが開かれたのです。

「ところで、船長さんよ、節約の話はどうした?」
うっ・・・・