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光の戦場 AIショートストーリー「空へ」軍機編

1945年、鹿児島錦江湾。空は灰色に染まり、海は静かに波を立てていた。その静けさは一瞬のものだった。突如として、米軍の偵察機、P-38 Lightningが空に現れた。機体は太陽の光を反射して銀色に輝いていた。操縦士のジョンは、コックピットで緊張を感じながら、目の前の景色を詳細に観察していた。

「何かおかしい…」ジョンは疑問に思いながら、地上に配置された何かが太陽の光を集めているのを見つけた。それは大きな凹面鏡だった。

一方、地上では日本軍の兵士たちが、その大きな凹面鏡を操作していた。彼らは太陽の光を集め、P-38 Lightningに向け、その凝集した反射光を当てようとしている。光線は空中で散ってしまい、機体にはほとんどダメージを与えられなかった。

「これが最後の手段だ…」と、日本軍の指揮官は内心で嘆いた。凹面鏡が反射する光線は、自らの位置を教えてしまっていた。そして、その瞬間、空からB-29 Superfortressが現れ、凹面鏡の位置に爆弾を投下した。

大爆発が起こり、凹面鏡は破壊された。日本軍の兵士たちは、その場で命を落としたか、散り散りに逃げた。ジョンはコックピットで一息ついたが、その表情は厳しかった。

「戦争は、どちらが勝っても、何も生まない…」と、彼は深く考えた。

その時、遠くに桜島が見えた。何も変わらず噴煙を吐き続けている。その光景は、戦争がどれだけ激しくても、自然の力は変わらないという事実を、皮肉な形で示していた。

#日本が最後の手段として用いた凹面鏡光線兵器は、結局のところ効果がなく、自らを危険に晒してしまった。米軍の偵察機P-38 Lightningと爆撃機B-29 Superfortressは、その存在を確認し、即座に破壊した。その戦果に喜ぶ者はいなかった。戦争がもたらすものは、ただの破壊と死でしかないのだと、両軍の兵士たちは痛感したのだ。桜島の噴煙は、その全てを静かに見つめていた。