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連続テレビ時代ドラマ「峯山みどり2」=節約は愛とともに=

: 「夢と現実の交錯」

鎌倉時代が黎明の混乱の中にあった真夏、峯山家の庭には、蝉の鳴き声が響き渡っていた。日差しはじりじりと地を焼き、空からは焼けつくような光が注がれていた。庭の樹々は、その熱に耐えながらわずかに風に揺れていた。

その庭に、一人の武士が跪いていた。彼の名は佐々木謙太。その額からは、汗が滝のように流れ落ちていた。気高い風貌の彼の背中は、堂々とした家紋を持つ振袖鎧に包まれていたが、その鎧も太陽の熱を受けて熱を帯びていた。

「峯山殿、この度はわが身勝手な願いで足を運ばせていただきました。御令嬢、みどり殿との結婚を、何卒、許していただきたく存じます。」

峯山家の当主、峯山大輔もまた、夏の熱に額に汗を浮かべながら、佐々木謙太を見下ろしていた。「佐々木殿、貴方には既に許嫁としてアヤ姫がおられると聞いておる。その事実を承知の上で、わが娘との縁組を望むのか?」

佐々木謙太は、さらに深く頭を下げる。その背中には、日差しに照らされた汗が滴り落ちていた。「その通りでございます。しかしながら、心の底からみどり殿を愛おしく思っております。許嫁の件につきましては、何とか解決の道を探る所存でございます。」

峯山大輔は、厳しい目をして言葉を続けた。「佐々木殿の誠意は感じる。だが、わが家の娘の将来を思うと、容易に許せるものではない。」

佐々木謙太は、静かに頭を下げる。「その旨、心より理解しております。しかしながら、何卒、私の真心をお感じいただき、お考えを新たにしていただけますよう願う次第でございます。」

峯山大輔の眼差しは、遠くの空に向けられ、答えはまだ出ていなかった。その間も蝉の声は絶えず、夏の熱さが二人の間に立ちはだかっていた。


みどりさんは、ふとした瞬間に目を開けた。夢の中での鎌倉時代の光景がまだ目の前に残っていた。頭の中には、「違うの、お父さん…」という言葉が浮かんでいた。


彼女は布団をかき乱し、天井を見上げながら考え込んだ。「違うのって、何が違うのだろう…」と自問自答する。夢の中の父の言葉、そして現実の謙太との関係が頭の中で混ざり合った。

「謙太さんは、夢の中の謙太さんと同じように私を愛してくれるのだろうか…」と彼女は考えた。しかし、その答えはどこにも見当たらなかった。

「でも、私たちは現代人だし、謙太さんには許嫁なんていないわ…もし彼が他の誰かと結婚することになったら…」と思考はさらに深くなっていった。

みどりさんは、思考の中で堂々巡りになり、自分の気持ちを整理することができなかった。何度も「私たちは、本当に結婚して幸せになれるのだろうか…」と考えたが、その答えも見つからなかった。

しばらくすると、外から鳥のさえずりや人々の声が聞こえてきた。休日の朝が到来していた。しかし、みどりさんは夢の中の出来事と現実の恋愛の混乱で、朝の日常に手がつけられなかった。

「私は、どうすればいいの…」と彼女は独り言を言いながら、部屋の中で考え込んだままの姿でいた。どれだけ時間が経過しても、彼女の心の中の混乱は収まる気配がなかった。