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連続テレビ短編ドラマ っ峯山みどり =節約の最前線=

「EFD」

峯山みどり、27歳(認めたくないものだな。若さゆえの・・・)、独身。 

七月九日、午前七時。

「あら、停電?」

踏み台に乗り、ブレーカーのスイッチをOFFにしておいて、何を言うのか、とお思いの貴兄もあられようが、みどりさんにとって、それは突然の出来事という体なのです。
でも、準備は万端です。洗濯はすべて終わっていますし、冷蔵庫の中身はからっぽ、テレビ番組の録画機能に設定もなく、宅配の予定も組んでいません。

「さぁ、12時間。EFDの始まりよ」

みどりさんは、毎月第二日曜日の午前七時から午後七時までを、電気を使わずに過ごします。この日をEFD(Electricity-Free Day)と呼んでいます。ちなみに、水田アヤさんの家では、第四土曜日がEFDです。
さらにちなみに、船長の家では、電力会社に三か月前までの電気代の支払いが終わり、かかりの人が復旧作業をしてくれるまでが、毎日EFDです。

「夏は暑いのがネックよね。これをどう乗り切るかが腕の見せ所だわ。」とはいうものの、まぁ、どうしようもなくなったら、隣の水田家に遊びにいけばいいのです。美瑠空(ミルク)ちゃん2歳のお相手をすれば、アヤさんも大助かりですし。



念入りにキッチンとお風呂、トイレの掃除。日々の掃除では行き届かない部分の掃除をします。
窓や鏡、テレビ、チェストなどの家具の拭き掃除。エアコンや空気清浄機のフィルターなんかも掃除します。掃除機は使えないので、できるものは水洗いまでやっちゃいます。説明書はよく見てね。
部屋の照明器具も軽くふき掃除。電気を止めているので、漏電・感電の心配はありません。まぁ、中尉は必要ですよ。

そうこうしているうちにお昼になります。熱いので、ひやむぎでもと、思ったけど、あぁ、氷がないわと、気づきます。

「アヤさん、ひやむぎゆでたんだけど、EFDで氷が無くて」とお隣りへ行くことにしました。
アヤさんもだらだらしていたので、ひやむぎの提案に丸乗りすることに。みんなでおいしくいただきました。

それから、西武線で新宿まで出て、ユニ●ロやジー●ーを回って、サ●ナードの●ンビでちょっと豪華にお食事を。豪華でもないか・・髭おじさんのシュークリームを買って、もう一度アヤさんのお宅によったりして。

「復旧しま~す!「」

お風呂の準備、エアコンをぎりぎりの温度設定で運転、テレビの録画予約をして・・・このルーティンはもう目をつぶってもできますね。

みどりさん、シャンプーボトルが空なの忘れてますけど、また水で薄めるんですか?
そういうところが、もう27s・・・・