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【初心者必見】ダイビング器材完全ガイド

1 はじめに

テレビやYouTubeで見かけるダイビングの映像。
奇麗な魚たちと一緒のダイバーに憧れを抱いて、
ダイバーを目指された方も多いのではないでしょうか。

ダイバーの方たちも、いろんな事を楽しみにダイビングされています。
・魚を見たい
・海中の洞窟に入りたい
・写真を撮りたい
・ただ、水中を漂いたい
本当に好みは人それぞれです。
しかし、人それぞれ好みが違っても、
空気の無い世界で活動をするというところは共通です。

そんな空気の無い世界での活動であるスキューバダイビングは、
スキンダイビングやフリーダイビングとは異なり、
器材を使用することではじめて長時間の潜水が可能になります。

2 ダイビングと器材

しかしダイビングの器材というと、
初心者の方はどうしても、
水中で長時間過ごす為だけのアイテムと思われがちです。
しかし、本当にそれだけでしょうか。

実はダイビングの器材は、長時間過ごすだけではなく、
・安全に
・快適に
過ごすために必要になってくるのです。
器材の形状がご自身にフィットしているかどうかで、
ダイビングのスキルにまでも影響が出てきてしまうのです。

しかし、そんな大事な役割のあるダイビングの器材ですが、
初心者の方はさまざまなメーカーと豊富な種類があって、
どれをどの様な基準で選んだら良いのか迷われるのではないでしょうか。
そこでここからは、
そんな方々向けに詳しく選び方をご説明していきたいと思います。

2.1 ダイビングには器材の呼び方

まずは、ダイビングの『器材』の呼び方についてですが、
・ダイビングイクイップメント
・ダイビングギア
・器材
と呼ばれ方も様々です。

ダイビングエクイップメントについては、
エクイップメント自体が装置や装備品という意味なので、
ニュアンス的には不自然に感じます。
ダイビングギアについては、
外国人ダイバーの方たちは基本的には「gear」と呼んでおり、
日本人のベテランダイバーにもギアと言う方がいらっしゃいます。

しかし日本では、
一般的に器材と呼ばれているので器材と呼ぶのが自然のようです。

2.2 ダイビング器材は買うべきか

器材を揃えるとなると、
最低50万円あるいはそれ以上の出費の覚悟は必要となります。
この様なことから、
レンタルで済ませたいとお考えの方も少なくありません。

しかし、レンタルの器材が危険というわけではないのですが、
『ダイビング器材は自分の命を預けるもの』
ですので、
自分専用のダイビング器材を持つことによって、
安全面からの安心感を覚えることができます。

これから長くダイビングを続けたいとお考えなのであれば、
できれば信頼できる器材をお使い頂きたいと思います。
レンタル器材にお金をかけるよりご自分の器材を揃えたほうが、
最終的には安価となると思います。

2.3 購入は安価な軽器材から

前項でもお話しましたが、
機材はすべてを購入するとかなり高価なものになります。
そこでまずは、器材の購入順序についてご説明したいと思います。

まず最初は最低限必要な器材から順番にそろえていきましょう。
詳しい説明は次項でお話しますが、
まずはご自身の体にフィットさせる必要のあるものから購入して下さい。
それは軽器材とか3点セットとか呼ばれる、
・マスク
・フィン
・グローブ
で、器材の中では比較的に安価で購入できます。

2.4 高価な重器材を購入

次は、
・ダイビングスーツ
をご購入頂きたいと思います。
3点セットと比較して高価なものになりますが、
ご自身の体にフィットさせるという観点からぜひ購入下さい。

最後に重機材と呼ばれる、
・レギュレーター
・BCD
をご購入頂くことで一通りの器材が揃う事になります。

なおその他にも、
・ダイビングコンピューター
・水中ライト
・メッシュバック
等をお持ちいただくと更にダイビングを楽しむ事ができます。

3 ダイビング器材の種類と役割

ここからは、機材の
・なぜ必要なのか
・種類や特徴
・選び方に
ついてお話していきます。

自分にぴったりの器材だからこそ、
水中世界をもっと快適に安全に楽しむことができるのです。
ぜひ、ご購入時の参考にして下さい。

3.1 軽器材

(1)マスク
 まずはマスクについてです。
 どなたも経験があると思いますが、
 裸眼で見る水中の物はすべてボケて見えます。
 マスクは、水中で視界を確保するための重要な器材になりす。

 種類は1眼タイプと2眼タイプがあり、
 ・とにかく広い視野で見まわしたいという方には1眼タイプ
 ・視力の悪い方向けの度付きのレンズを使用したい方は2眼タイプ
 などの選び方があります。

 まずはスカートと呼ばれる顔に接するゴムの部分の、
 フィット感を確認して下さい。
 ストラップをかけずに顔にあて、
 鼻から少し息を吸って顔を振ってもマスクが落ちなければ、
 お顔にフィットしている事になります。
 また、視界の広さもその時に確認して下さい。

(2)フィン
 次はフィンです。
 フィンは水中で移動するための足ひれのことで、
 水中での移動に大きく影響する器材になります。

 種類は2タイプあり
 ・ブーツを履いたまま脱着ができるストラップ型
 ・素足でも使えるフルフット型
 があります。

 選ぶポイントは大きさと方さで、
 硬く大きなフィンは推進力は大きくなりますが、脚力が必要です。
 逆に、小さく柔らかいフィンは脚への負担は少ないですが、
 推進力を得る事は難しくなります。
 ご自身の脚力を考えながらお選び下さい。

(3)ブーツ
 ブーツの主な役割は「足の保護」で「保温」になります。
 保護は、特にビーチからのエントリーの場合に、
 岩場、貝、サンゴなどでの足の怪我止してくれます。
 またブーツは体温低下も防いでくれます。
 30~40分以上は潜るダイビングではかなり役立つでしょう。

 種類は2種類で
 ・ソールが厚く歩きやすいファスナー型
 靴下を履くように履けるフルフット型
 になります。

 ファスナー型はその名の通り横にファスナーが付いていて履きやすく、
 ストラップ型のフィンで使用します。
 フルフット型はソールも薄く作られている為、
 フルフット型のフィンで使用します。
 いずれの場合も、大き目のサイズはキックの力がフィンに伝わらず、
 進まなかったりなるので、素足にフィットするサイズをお選び下さい。

(4)グローブ
 グローブは野球のグローブとかではなく、水中で使う手袋になります。
 役割は「手の保護」で「保温」になります。
 ブーツと同様で、
 水中での怪我を防いだり、冷えを防いだりするのに役立ちます。

 種類は素材の違いの3タイプで、
 ・通気性がよく、薄くて軽いから乾きやすいメッシュ素材
 ・ストレッチが効いていて防寒効果のあるジャージ素材
 
・冷たさを感じにくく内側の温度を逃がしにくいネオプレーン素材
 
があります。

 夏場をメインにダイビングされる方はメッシュ素材、
 水中カメラをやってみたいという方はジャージ素材、
 冬場もダイビングしたいという方はネオプレーン素材
 のものをお選び下さい。

3.2 ダイビングスーツ

ダイビングにおいてスーツが重要な理由は、
・身体の保護
・保温
が挙げられます。

まず、海中ではたまに触れると危険な生物にであったり、
ケガをしてしまうような岩肌があったりします。
この様な危険のものに触れてしまう可能性はどなたでもあるため、
みなさんにスーツを着て頂いております。

次に保温についてですが、
水は空気よりも熱を奪いやく、
水中では陸に比べて20倍(海水は25倍)も早く冷えるという特性があります。
この冷えを防ぐために、ダイビングスーツは重要になります。
因みに、サーフィンとダイビングのウェットスーツは似ていますが、
・動きやすさに重点をおいたサーフィンのスーツ
・ダイビングは保温に重点をおいたダイビングのスーツ
と重点に大きな違いがあるのです。

(1)ウエットスーツ
 ウエットスーツは水着の上に着用します。
 体とスーツの隙間に入った海水を体温で温めることで、
 保温効果を得ているのです。 

 種類は、
 ・全身を覆うタイプのワンピース
 ・半袖で重ね着が出来るシーガル
 等になります。 

 ワンピースは最も多く使用されていて、 
 さらに保温性を上げたい場合は、
 フードやインナーを併用することで可能になります。
 シーガルは半そでなので、ジャケットやボレロを重ね着することで、
 より保温効率をさらに上げる事が可能になります。

(3)ドライスーツ
 ドライスーツはインナーの上に着用する、
 首や手首をシール素材で密着させた、
 防水ファスナーの使用で水が入ることがなく、
 ブーツも一体型のとなっています。 

 スーツ内の空気の層で保温をするので、
 ウエットスーツと比較して格段に保温力が高くなります。 

 種類は2種類で
 ・フィット性の良い素材を使用したネオプレーン
 ・防水素材を使用したシェルドライ
 があります。

 ネオプレーンは素材がウエットスーツと同じで、
 フィット性が良く薄めのインナーでもダイビングが可能です。
 シェルドライは、レインコートの様な防水素材で作られており、
 スーツ自体に保温性がないので、
 インナーを重ね着する事で必要が重要となります。

3.3 重器材

(1)レギュレーターセット(呼吸器)
 レギュレーターセットは、
 空気の入ったシリンダー(タンク、ボンベともいう)と、
 ご自身が口にくわえて呼吸をする部分をつなぐ、
 機器の総称になります。 

 それぞれ、
 ・シリンダーとの接続部分:ファーストステージ
 ・ご自身が咥える部分:セカンドステージ
 ・空気圧、深水、等を表示する部分:ゲージ
 という名称で呼ばれています。 

 お選びになる時に重視することは 
 ・呼吸しやすいこと
 ・くわえやすいこと
 ・素材が軽いこと
 になります。
 吸い心地の良さは個人によって差があります。
 できれば実際に呼吸を試してみたり、
 マウスピースなどサイズがあっているかを確認されてから、
 購入することをおススメします。
 また、レギュレーターは素材によって耐久性や重量に違いがあり、
 最近は耐久性に優れて軽量なチタンを使った物が人気のようです。

 なお、レギュレーターセットは高額なものですが、
 中には激安といって販売されているものが見受けられます。
 ここで知っておきたい事は、それぞれの機器は
 「メーカー毎に設定された中圧値で安定して動作する」
 ように設計されているという事です。
 これが異なっている機器を組み合わせて使用すると、
 故障が発生しやすいと言われております。
 安価販売されているものは、
 メーカーを混在させてセットしたものが多いようですので、
 ご購入の際は同一メーカーで揃っているか確認するようにして下さい。

(2)BCD(浮力調整装置)
 BCDは水中で浮き沈みをコントロールできる措置になります。
 装置と書くと難しい機器に感じますが、
 シリンダーを取り付けるベストとお考え下さい。

 種類は
 ・脱ぎ着がしやすい構造のショルダーストラップタイプ
 ・水中でのバランスがとりやすい構造のジャケットタイプ
 の2種類があります。

 選び方ですが、BCDは大きくても小さくても問題があります。
 BCDは一番の重量物であるシリンダーを固定するので、
 大きいとシリンダーが動いてしまいバランスが取れなくなります。 
 また、小さいとエアを入れると圧迫感があるからです。
 いずれも水中でのストレスの原因となるので、
 体型に合っているものを選ぶようにしてください。

3.4 その他の器材

特に購入を急ぐわけではないのですが、
持っておいて損のない器材をご紹介します。
優先順位は下がりますが、
もしダイビングを始めたいと思われている方はぜひ手に入れて下さい。

(1)ダイブコンピューター
 ダイビングでは減圧症という潜水病にならないように、
 ダイブプランを立てる必要があります。
 このプランを瞬時にして立ててくれるのがダイブコンピュータです。
 見た目は普段身につける腕時計とさほど変わらないのですが、
 ・現在水深、最大水深
 ・潜水時間
 ・水温
 ・水面休息時間
 などリアルタイムで知らせてくれるのです。

 種類は3種類で、
 ・軽量かつコンパクトな腕時計タイプ
 ・ゲージと一体型のコンソールタイプ
 ・必要な情報を1画面で確認できる大画面タイプ
 です。  

 価格は、いずれも5万円程から15万円以上するものまで多種多様が、
 レクリエーションでダイビングをするのであれば、
 どれを選んでも問題ありません。

(2)水中ライト
 水中では水深が深くなるほど暗くなります。
 また、明るい海でも太陽の光が水に吸収されることで、
 赤い色がだんだん黒く見える様になってしまいます。
 このように、明るい海で見ているお魚などの色が、
 実際の色と違っていると楽しさも半減です。
 水中ライトはこの様な時に、
 実際の色を再現させる為に必要になってくるのです。

 種類は、
 ・光の束を1点に集めて照射するスポットタイプ
 ・広範囲を明るく照射するワイドタイプ
 の2種類があります。 

 用途と照射範囲を考えてライトを選んで下さい。
 ・.暗い場所で 生き物などを探す場合はスポットタイプ
 ・.周りにご自身の存在を伝える時はスポットタイプ
 ・ナイトダイビングの灯りはスポットタイプ
 ・.写真を撮る際の灯りはワイドまたはスポットタイプ
 ・ 写真を撮る際のターゲットライトはスポットタイプ
 ・ 動画を撮る際の灯りはワイドタイプ

(3)バック
 器材を裸のまま海まで運ぶわけにはいきません。
 そこで、機材専用のバックが必要となります。
 海までの移動やボートへの持ち運みなど、
 実はいろいろな種類のバックがあるのです。

 種類は大きく分けて2種類、
 ・旅行を伴ったダイビングではキャリーバック
 ・電車での日帰りダイビングではメッシュバック
 になります

 キャリーバックはキャスター付きなので、
 海外や国内離島など旅行を伴ったダイビングにおススメになります。
 そして、車で現地に行ったり電車での日帰りダイビングの場合は、
 メッシュバッグ(通称メッシュ)がおススメです。
 このメッシュは、ボートダイビングの場合に、
 バッグごと器材を入れて船に持ち込むことが多くあります。
 基本の器材として1つ購入しておいた方が便利だと思います。

3 まとめ

いかがでしたでしょうか。
せっかくダイビングに興味を持ってダイバーになったものの、
器材についてよくわからず
「金額が高くて買えない・・・・」
「何を買ったらいいのか分からない・・・・」
「レンタルでいいや・・・・」
と思っている方は多いと思いのではないでしょうか。
そのために、初心者の方でも迷わずに準備を進められる様に、
各器材の役割を説明してきました。

器材選びはこれからのダイビングライフを、
安全にかつ快適に過ごす為に重要になります。
呼び方はいろいろありますが、
器材が揃って初めてダイビングができるのは共通であるのは確かです。
だからこそ、
役割や選び方のポイントをしっかりと理解しておくことが重要なのです。

『安全』そして『快適』にダイビングを楽しんでいただくために、
ご自身で必要と思われる器材をひとつずつチェックして頂きながら、
購入のお役に立てたらと思います。

今後のダイビングライフが素晴らしいものでありますように。


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