供養 500文字で書く。

 上司の奴、崖から落ちねぇかな。顔を合わすたびにそう思う。

 あいつは嫌な奴だ。なんせ、常に正論を叩きつけてくるから。あいつはきっと、正論を叩きつけるのが好きなのだろう。そうじゃなきゃ、ねちねち言ってこない。

 まぁ、言われなき罵倒って訳でもない。というか、こっちに非があるのは分かっている。だから、煮えたぎらない。不完全燃焼気味だ。しかし、言い方は腹に据えかねる。自分と他人を比較するのはゲスな事だろうに。

 仕事が嫌になると、仕事のペースが落ちる。それだから、目を付けられる。で、またペースが下がる。悪循環だろうに、それでも叩きつけは終わんない。培養液にでもつけてやろうかしらと、度々思う。

 実験は楽しい。人間は嫌い。しかし、人間と付き合わねばならない。研究棟でずっと研究漬けになっていたい。そうすれば、嫌な気分にならないから。

 だけど、そうと言っていられない。嫌みな上司にホウレンソウを散々言われたのだから、しないとならない。

『こんな事もできんのか』とグチグチ言っているが、アンタはそれやったのかと聞きたくなる。考えるだけむなしいから、したくない。でも、頭には浮かんでくる。あぁ、ヤダヤダ。億劫になる。フリーランスの研究員ってないのかしら。

 フィクションのマッドサイエンティストになりたいものだ。予算度外視で頓珍漢をやらかしたい。そんな風に出来れば、さぞ愉快だろう。

もしも。アナタがほんの少しだけ協力してくれるのなら。 書いている人が希望を持てます。 そして、記事が若干面白くなります。