雪、鏡、恋人de三段噺

 ぼくが君と出会ったその日、雪が降っていた。公園だったかな。君はそこで何やらやっていた。何をしていたのかを君に聞いても教えてくれないのだから、いったい何をしていたのかが少し気になる。
 君はなんだか綺麗で、溶けそうで、その割には意地汚そうな、印象だった。ほら、雪だって泥に塗れたら汚くなるじゃないか。時と場合に寄るだろうけどさ。
 ぼくは初めて見た時、こう思った。
「あぁ、きれいだけど性格とかダメそうだな」って。実際その通り。人として見ると君は人間落第生だった。だからなのか、気が合いそうだなとも少し思っていた。
 ま、君みたいに綺麗だとかなんてのはないけど。人としての欠陥って部分にシンパシーを勝手に感じていたのかもしれない。あるいは鏡合わせみたいに自分と同じだと思いたかっただけかも。
 おっと、今は雪降る中の公園でばったり出会ったってところだけで十分か。
 まぁ、君は雪女とか雪の妖精みたいな感じはしたよ。何なら生き物かどうかも怪しんだ。
 生き物だから、こうして恋人の真似事が出来ているんだけどね。
 それで……その後どうしたっけな。覚えてないんだけどさ。
 えっ、そのとき何してたのか教えてくれるのかい?
 お酒。雪降る中で?
 絡み酒したかったのね。それでなあなあで恋人。うーん……現実ってふざけてるんだな。

[以上。550文字で完了。もう少し続きそうな印象を受けるが、続かない。オチもないよ]

もしも。アナタがほんの少しだけ協力してくれるのなら。 書いている人が希望を持てます。 そして、記事が若干面白くなります。