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“子育て”をやめてみませんか。 子どもの《生きる力》に、圧倒され続けているわたしが願うこと。

色とりどりの個性が躍動する、明るくて豊かな社会。
そんな社会を築くためのヒントが、1人ひとりの《子ども時代》にあるーー。

大学生だった15年ほど前、そう確信しました

就活をしていた当時のわたしは、企業訪問で出会う大人たちの目が総じてイキイキとしていないことが、気になって仕方ありませんでした。
彼・彼女が語るビジョンも、上っ面の空虚さが漂うか
“社会”の視点が抜け落ちた、近視眼的なものに映りました。

この違和感の背景にあるものは一体、何だろう?
とつらつら考えているうちに
そもそも大人は

「自分の頭で物事を考え、選んでいるか」
「《好き・得意》を軸にして、生きているだろうか」

と疑問に思い始めたのです。
多くの大人が、この問いに「Yes」と言い切れないからイキイキとして見えず
社会全体に閉塞感が漂っているのではないか?と。

そして、その根っこは《子ども時代》
ーー学校や家庭での様々な場面において
《自分の頭で考える力》や、十人十色の《好き・得意》にフタをしてきてしまったからかもしれない。

…そんなふうに考えました。

とはいえ、20歳そこそこだったわたしには現実社会を変える手立てが思いつかず
まずは自分自身に焦点を当て、《好き》を生かせる職に就きました。

兄妹の母に。「子育て」に違和感

それから8年後に長男を、その1年半後に長女を出産し、会社勤めから卒業します。
夫は仕事が忙しく、完全なるワンオペ育児。
2人が0ー3歳くらいまでの頃は、家事・育児の作業量が膨大すぎて
自分の思考や感覚を麻痺させなければそれらをこなせず、今思えばいわゆる育児ノイローゼでした。

そんなこどもたちも、現在は6歳(年長)と4歳(年少)。
身の回りのお世話に掛かる手間は減り、ノイローゼからは脱したものの
慌ただしさは変わらず…いやむしろ一層激しさを増しています。

そんなてんてこ舞いの日々の中で
世間で当たり前に使われる『子育て』という言葉に、違和感を持つようになりました。
『子育て』の主語は親。親が、子どもに対して能動的に働きかけるニュアンスがあります。

でも母になって6年が経った今、わたしが強く実感しているのは
子どもは生まれながらにして《生きる力》を持っているということです。

本質的な“生きる力”って?

我が家の子どもたちについて言えば、その行動はいつだって突拍子がなく、こちらが困り果てることもしばしば。
更には、謎としか言いようのないささいな動機から、5分ごとに兄妹げんかを起こしています。

それでも、常にエネルギーに満ちあふれ
ささやかな日常の中で、「好き」「やってみたい」「何だろう?」を自ら見つけ
時間も空間も関係なくそれに打ち込みながら
自分なりの“こたえ”を、その都度見つけていく。

ーーそんな2人の様子を見るにつけ、これこそが本質的な《生きる力》そのものであり
それを遺憾なく発揮する2人にはとても敵わない、といつも圧倒されるのです。

当然ながら我が子たちに限らず、子どもなら誰しもが《生きる力》を持っているのは間違いありません。
だから本来なら、子どもは《自ら育つ》はずです。
子どもが育つ過程にあえて名前を付けるなら、子育てではなく《子育ち》ではないでしょうか。

でも、生きる力をそのまま表出したときの行動が、時に世間一般の常識と照らして都合が悪いから
周囲の大人によって、介入されたり止められたりしてしまうことが少なくないのが一般的のようです。
もちろん、現実社会で生きていくに当たり、心得ておくべきマナーは存在しますし
それが身に付くよう周囲が導く必要はある程度あるでしょう。
でも、大人による、子どもへの“コントロール”が行き過ぎた結果が
その時々の社会の有り様に反映されている気がしてなりません。

“子育ち”を見守ろう

大人の役割は、子育てではない。
心からの信頼を前提として、《子育ち》を見守り
邪魔をせず、必要なタイミングで手を貸すこと。

そうやって大きくなったひとは、《生きる力》を生涯枯らすことなくあふれさせ
社会をも明るく満たしてくれるのではないでしょうか。

珍獣たる行動を日々繰り返す、我が家の珍獣兄妹。
それを黙って見守ったり、必要に応じて手を差し伸べたりするのは簡単ではないけれど
珍獣の感性をずっと大切にしてほしい。
そうして、生きる力を存分に培ってほしい。
 
それと、もう1つ。
年齢や性別、属性などのあらゆる立場や、子どもがいる・いないに関わらず
世の中のすべての《子育ち》を共に見守るおとなの仲間を、ひとりでも増やしたい。

そんな願いを込めて、珍獣とのすっとこどっこいな日々を日誌に綴ります。


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