赤い絲
小指に結わえた
みえないリードは赤い絲。
よぅく、よぅく、目を凝らせば、
おひさま透かしてみえますの。
するするのびるよ赤い絲。
きらきら輝るよ、
鴇色に。
綺麗でせう。
オーガンジーの、
紐みたいでせう。
みとれて
ほけっと、していたら。
赤い絲たぐる、
あの人が。
走ってくる
走ってくる
走ってくる
たっ!たっ!たっ!たっ!
くる、くる、くる、くる。
距離を
「 あっ」 という
間につめちゃった。
わたしを
お家へ撤収しにくる
ぶっとい小指のだーりんだ。
いーとーまきまき
いーとーまきまき
いーとーまきまき
くるくるくる...
くるめとられて。
小指と小指が、くっついた。
ガオォ
「 虎のマネだょ、だーりん。」
「 はいはい、帰るよ。ぽんぽこ♪」
「 はいは、1度でいいのです。」
「 うっす!」
「 ・・・ 。」
あれやさ、これやさ。
それやさ、どれやさ。
もの思ひ、わずらう。
ちんぷん かんぷん めんどっちぃ、
おつむを ちちんぷいぷい ね。
ぽんぽこ狸は あなたへ 帰る。
わたしのお家は、あなたの胸が奥。
いつでも
どこでも此処が、
お里だよ、だーりん。
luv U.・∴・°
photo & written by...十阿弥 阿世