見出し画像

詩:ヱッセンス

豐かな水から一掬を

手皿に滿たしたなら

指の隙から泪のやうに

したたり落ちてゆくけれど

汲みとれた

その僅かさこそが

ヱッセンス

御惠おんめぐみの

一滴


詩と写真.....十阿弥じゅうあみ阿世

シトリンがとろけた宝石水に
手を浸したよう。
その水を掬いあげたら
透きとほる泡玉が生まれて、
落ち葉と一緒に手皿でぽかんと浮かんだ。
儚くも、はぢけて消えて、水の泡 . °
落ち葉は水底しずかに沈み、波紋に揺れる。

. ・ ° ・ 。. ・ ° ・ 。. ・ ° ・ 。