そもそも量子 Quantum ってなんだろう?
そもそも量子とは
そもそも、量子力学に頻繁に登場する「量子」とは何なのでしょう。
私が量子力学を始めて知った時はそんな疑問が常にありました。
今回は、そんな素朴な疑問に答えるために量子についてまとめた記事を書いてみました。
動画サイトの解説やコンビニに売っている本だと、本質を捉えていなくてわかったようなわからないような。
でも、専門書だと基礎はわかっているものとして、いきなり本題が始まってわけがわからない。
そんな人たちに向けて、痒いところに手が届くように頑張って書きました。
興味のある方は下のリンクからどうぞ
他の量子力学紹介noteと同じく、下に補足的な内容を書きました。ちょっと用語の解説が抜けているかもですが、興味のある人はそのまま読んでいただけると嬉しいです。
量子数
水素原子のシュレディンガー方程式
皆さんは量子数という言葉を聞いたことがあるでしょうか。英語はそのままquantum numberです。
有名な量子数といえば「主量子数」や「方位量子数」が挙げられます。これらの量子数は水素原子のシュレディンガー方程式を解くことで現れる数です。
量子力学の世界では、電子が何らかのポテンシャルエネルギーに束縛されると、エネルギーは飛び飛びになります。例えば、量子井戸を考えてシュレディンガー方程式を解くと、エネルギーは飛び飛びになります。
同様に、水素原子も原子核が作る電場(電界)に電子が束縛されているので、エネルギーは飛び飛びになります。エネルギーが飛び飛びになるとは専門用語では、エネルギーが量子化されている、といいます。エネルギーが量子化されていると、各エネルギーを表す状態、つまり波動関数も飛び飛びの状態しか取れなくなります。
飛び飛びの状態しか取れなくなった、原子核周辺に局在した電子の波動関数を電子軌道といい、それらの分類を行うのが量子数です。
電子軌道と聞いて、高校化学のk, l, m殻などを思い出す方もいるかもしれませんが、電子の軌道と状態の数が限定される根拠は、元を辿ると量子力学にあります。実際に電子軌道のk, l, m殻は、量子力学の主量子数のn=1,2,3に対応します。
(実際にどんな計算をすれば解けるのか、想像してもらいやすくするために水素原子のシュレディンガー方程式の解法も作成中ですので、お楽しみに。)
ちなみにですが、水素原子から電子を一つ増やしてヘリウム原子にした場合、近似を入れないとシュレディンガー方程式は解けなくなります。
「量子化」という言葉に対する注意点
「量子化」という用語は、量子力学以外の分野で使われる際には、「離散化」と同意義で使われているように思います。量子力学でも波動を量子化すると粒子の性質が現れるので、量子化=離散化というように思い込んでしまいがちです。
しかし、実際の「量子化」は、「粒子」or「波動」のどちらかであるという古典力学の描像から、「粒子+波動」の二つの性質を合わせ持つ量子として取扱いを置き換えるという意味があります。
量子化=離散化ではないので注意してください。特に量子力学を本格的に学びたいと思っている方は、量子化と離散化を取り違えると、例えば「量子化して波動の性質が~」のような文で「離散化して飛び飛びになるはずなのに波?」と本筋からズレたところで頭がこんがらがる元になるので注意です。
そもそも、シュレディンガー方程式を解いて得られる「波動関数」も、量子化した結果得られる関数です。もし「量子化=離散化だけ」なら、空間的な連続性を持つ波動関数が、方程式を解いて得られること自体おかしいように思えてしまいます。もし、「量子化=離散化」なら「波動関数→離散関数」などと名前がつくのでしょうか。
量子化の意味を正しく理解しておくと、そのような間違った論理や誤解を避けられます。
今回のnoteを以上になります。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
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