掌編怪談「狛犬」

近所の神社には、子供にだけ伝わる噂がある

夕方、その神社に一人で行って参拝する

その後向かって左の口を閉じた狛犬に質問をする

すると、右の口を開けた狛犬が質問に答えてくれると言うもの

ただし、答えを知ってる質問はしちゃいけない

知ってることを聞くとどうなるかは誰も知らない

面白そうなので禁忌を犯すとどうなるのか試すことにした

胸ポケットにスマホを入れ、動画を撮りながら鳥居をくぐる

参拝を済ませると、早速左の狛犬に質問をする

私は今何歳ですか

すぐに右の狛犬の前に立つ

お前は今11歳と9ヶ月だ

本当に喋ったこと、さらに答えがあってることに驚いた

次は私の質問に答えろ

狛犬がそう言うと同時に体が動かなくなった

お前は何歳で死ぬ

ゾッとした

考えても分かるはずがない

96歳…くらい?

当たってくれと願いながら答える

残念、お前が死ぬのは今だ

狛犬の答えを聞いた瞬間、体の自由が戻った

私は一目散に鳥居をくぐり抜けた

彼女は現在行方不明となっている

彼女の壊れたスマホだけが、鳥居の下で見つかった

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