掌編怪談「羨望」

写真を撮られるのが嫌い

そう言っていた彼女を確認できるのは、今や写真の中だけだ

私は写真を撮る度に、容姿の変わらない彼女に嫉妬している

ただただ羨ましい

だから嫌がらせの為に、あの頃のようにカメラを持って廃校に通っている

彼女は今も、変わらずそこで揺れている

長く伸びた首の先

醜く顔を歪ませて

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