掌編怪談「ノック」

兄が県外の大学に入学した

そのため兄の部屋は誰も使っていない

とは言え荷物が残っているので時々借りることがある

俺が散らかすから母さんが時々片付けてるみたい

その日も兄の部屋に用があったんだけど、何故かドアが開かない

鍵なんて無いはずだ

誰かいる?

ノックしながら声を掛ける

どうぞ

返事があったのでノブを回すとすんなり開いた

室内には誰もいない

怖いので開かなかったのは建て付けの問題で、声は気のせいと言うことにした

それからもたびたび同じことが起こっている

兄が実家にいた頃、用がある時はノックしろと言われていたが関係あるかな

家族でこの現象に遭遇しているのは俺だけみたいだ

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