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熱帯を抜けた先は新たな熱帯

この春、私は秋田の自宅でそこそこ懊悩していた。 次にどんな言葉を綴ればよいか分からなかったのである。 敬愛してやまない森見登美彦氏の『熱帯』という摩訶不思議な本によってもたらされたあの日々に関して、生みの親である森見氏、そして氏を慕う紳士淑女の皆さんと、一緒に読み合い話し合う読書会、『沈黙しない読書会』に参加するという、今年度のオモチロイで賞に間違いなくノミネートされる出来事を控えており、心上の空ソワソワしている。 『熱帯』を通り抜けた(読み終えた)先は最初とは違

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