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成長ホルモン治療のこと

私は下垂体前葉機能低下症という指定難病患者です。
体内に必要な複数のホルモンが足りていませんが、圧倒的に足りないホルモンは成長ホルモンです。
私も成長ホルモン分泌不全症(重症型)と診断されるまで、成長ホルモンって思春期だけに必要なホルモンだと思い込んでいました。
若さを保つホルモン的なイメージです。
実は、生涯に渡って元気に生活するためには老齢期まで必須のホルモンだったんですよね。
私のように成長ホルモンがほぼ分泌されていないとどうなるかというと
・疲れが取れない(寝ても覚めても疲労している)
・記憶力と集中力の低下(本が読めない、映画鑑賞もできなくなる)
・骨が脆く折れやすくなる(私はこれで酷い骨折となりました)
・肌がかさかさに乾燥する(白い粉をふくレベルに…)
・太る(代謝が落ちるので普通に食べてると肥満になります)
・情緒不安定になりがち(怒りっぽくなったり、寂しがり屋になったり)
これ、更年期障害にそっくりですよね!
部分的にはうつ病にも類似していますね。
甲状腺の病気にも似てます。
と、いうくらい判断が難しくって誤診もされやすいです。
実際私は誤診されまくってましたから(苦笑)
誤診で処方された薬を頑張って飲んでも治りません。
治らないから医師に不真面目な患者のように思われて悲しい思いもしました。
でも、病気が正しく診断されて、正しく処方をされていれば
薬は最初の1回目から劇的に効果が現れます。
マジです。
だから私は主張したい。
「1週間真面目に治療に取り組んでも回復しない場合は
 診断が間違っているか、処方された薬が間違っている」

です。
1ヶ月経っても改善がなく医師に相談しても
再検査をしようとしなかったり、処方を替えない医師の場合
私は医師の交代を願い出るか、病院を変えます(転院を申し出る)。
はっきりいって時間とお金の無駄だから。
少しも改善がみられない治療を続けてても意味ないですもん。

というわけで、長年苦しんで辿り着いた(自力で探した)大学病院にて
内分泌科の専門医により正しく診断され、処方された成長ホルモン剤について紹介したいと思います。
成長ホルモンの投与は皮下注射になります。
たまにネットで飲む成長ホルモンを紹介してますが、あれはインチキです。
成長ホルモンはタンパク質で構成されているため、胃に入ると分解されてしまって効果がないのです。だから注射するのです。
私が処方されている成長ホルモン剤はこちら!

ヒューマトロープ(遺伝子組換えヒト成長ホルモン製剤)

薬剤調合前は常温保存です。
最初はインスリン注射と間違えられて調合前は冷蔵って指示されていましたが(2023年6月に急性胆嚢炎のため入院した病院の看護師、医師、薬剤師さんもご存じなかったのですが、なんとなんと、私が通っている大学病院の薬剤師さんも保管方法をご存じなかった)実際は逆なのです。
薬剤調合後に冷蔵保存です。
理由は、体温で働くのが成長ホルモンなので、調合後に常温保存すると温度が上がってしまい効果が無くなるのです。

ヒューマトロープ パッケージ中身



これ1本で20日間分です(私の場合)。
毎晩、就寝前にお腹周りに注射しています。

調合後にペンに装着!(冷蔵庫に保存)

この注射を最初に打った時の感動は今でも覚えています。
冷え切った身体に小さな灯が点ったようにぽっと温かく感じ
身体全体が「これを待っていました!」
とばかりに歯車が動き出した感覚。
こわばった身体がゆっくりとほどけていき
ぼんやりしていた思考が明瞭になっていき
長い年月悩んでいた身体に纏わりついていた疲労感が軽減していったのです。
注射後ほんの数分で上記のような効果を実感できました。
この薬を開発して下さった研究者、製薬会社に感謝です。
毎晩これを打つことで集中力と持久力が回復し
身体も動くようになりました。
散歩を楽しみ
大好きだった読書ができるようになり
謎解きを楽しみ
こうして文章も書けるようになったのですから。


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