【イタリア国立医学部入試直前対策】一発合格するためのIMAT過去問の使い方
この記事では、サピエンツァ大学合格者が入試1-2か月前に実践し、独学でIMATの点数を飛躍的に上げることに成功した、頻出×苦手分野を効率的にマスターするための勉強方法を解説します。
イタリア国立医学部合格を目指す中で、こんな気持ちになったことはないでしょうか。
私も2023年の夏はこのような悩みでいっぱいでした。
そこから、勉強方法を見直して2か月間で追い込みをかけることで、本番で55点を獲得しNon-EU枠で合格することができました。
IMATを直前に控えた方、独学でのIMAT対策が不安な方はぜひ本記事を参考にしてください。
なお、今回は試験範囲を一通り網羅したうえで過去問に着手する方を想定しています。試験対策初期の勉強方法については、別の記事に後日まとめる予定です。
イタリア国立医学部入学試験「IMAT」とは?
IMATとは、イタリア国立大学の医学部英語コースに入学するための共通試験です。面接やエッセイは無くIMATの成績のみで合否が決まるため、非常に重要な試験になります。以下の情報はすべて2023年度時点のものです。
実施時期:毎年9月頃。2024年は9月17日と発表がありました。
実施場所:イタリアまたは各国の指定会場。残念ながら2024年時点では日本には会場がありません。オンラインの実施もありません。私は旅行も兼ねてイタリア現地で受験しました。
実施方法:全60問 100分間のマークシート方式。正解 +1.5点、不正解-0.4点、無回答 0点です。
問題構成 :
・Reading Skills and General Knowledge (読解と一般教養):4問
・Logical Reasoning and Problem-solving (論理的思考と問題解決能力):5問
・Biology (生物):23問
・Chemistry (化学):15問
・Math and Physics (数学と物理):13問
試験内容自体は半年もあれば十分に対策できる難易度なのですが(約10年ぶりに理系科目を勉強した私が言うので間違いないです笑)、「いかに減点を避けながらテンポよく回答するか」が求められる少しトリッキーな試験です。
IMAT 1-2か月前は過去問対策に集中するべき!一体なぜ?
この記事を執筆した日はちょうど2024年IMAT試験日の2か月前。ある程度勉強を進めたうえで、「このままの勉強方法で間に合うのかな?」と不安になる時期ですよね。
私は様々の魅力的な参考書や問題集の誘惑を振り払い、過去問対策に集中しました。その理由はこちらです。
理由①: テスト形式に慣れることができるから
問題の出題順や言い回しは当然テストによって異なり、IMATにも独自のスタイルがあります。
例えば、IMATでは以下のような「正しい選択肢を含む「組み合わせ」を選びなさい」という問題がよく出るのですが、初見だとちょっと混乱します。
他にも「正しくない選択肢を選べ」という問題文にしても、「Which is NOT correct?」「Which is wrong?」「Which doesn't comply with… 」等の複数の言い回しがあります。
そこで、IMATがどのような表現を好むのかを過去問を通して把握することで、問題文を読み違えるリスクを減らすことができます。
理由②: 問われる知識のレベルを知ることができるから
IMATの出題範囲は広いですが、各単元で求められる知識の粒度はあくまでも大学入試レベルです。単元によっては日本の高校入試レベルで十分な場合もあります。それを知らずに手持ちの参考書の全ての情報を暗記しようとするのは、貴重な時間と脳のキャパシティの無駄遣いです。複数年度の過去問を繰り返し解くことで、自分の勉強内容が浅すぎor深すぎないか、チェックすることができます。
理由③: 同じ問題を繰り返し解くことで知識の定着を期待できるから
100分短期決戦のIMATでは、求められる知識をいかに早く頭から引き出せるかも重要な鍵になります。そのためには、できるだけ多くの知識を長期記憶として溜めておくことが必要です。
ところが、参考書で読んだだけの知識や、1-2回問題を解いただけの知識は、残念ながらあっという間に脳から抜け落ちてしまいます。
様々な参考書に手を広げたばかりに間違えた問題を解き直す時間が取れない、なんて状況になると、結局どの参考書も中途半端に終わってしまいますよね。
何か一つの教材に集中して、前提知識ゼロの他人に解説できようになるまで繰り返し見直すことで学習内容がより深く定着します。
正直に言うと、この後にご紹介する過去問対策を終えるまでは、 他のTOLC-MED等の過去問に手を出す必要もそれ程無いと感じます。時間に余裕がある場合でも、過去問+他1冊程度に止めておくのがお勧めです。
過去問の効率的な使い方
解く→ 分析する → 頻出×苦手を徹底的に潰す
過去問の良さを熱弁したものの、ただ解くだけでは効果半減。
解いた後の分析が超重要です。
複数年度の過去問から自分自身の間違いの傾向を知り、そこに重点的に時間を割くことで、限られた時間で「合理的にヤマを張る」ことが可能になります。
具体的な流れ
私の過去問活用方法を時系列で説明します。
1… 過去問を本番と同じ環境で解く
制限時間100分はもちろん、問題用紙・マークシートを印刷する、机の上には筆記用具と本番に使う腕時計のみ、パジャマ以外の服装等、なるべく本番に近い環境を作り緊張感を持って過去問を解きます。
※2011&2012年は設問80問なので120分で解きました。
2… 答え合わせ
3… 不正解の問題の解説を読んで理解する
公式の解説はありませんが、ネットでほとんどの問題の解説を見つけることができます。私はEnterMedSchoolの掲示板にお世話になりました。
4… 不正解の問題の単元を記録する
ここからが分析パートです。
自分が間違えた問題が、「試験範囲のどの単元に該当するのか」を整理して記録していきます。
単元は公式から発表される試験範囲 (シラバス)に書いてある粒度が分かりやすいです。
オリジナルの試験範囲はイタリア語なので、EnterMedSchool, Acadimat等の対策サイトから英訳を探してください。また、試験範囲は公開が遅いため、前年度版を使用して問題ないです。
試験範囲にしっくりくるものが無ければ参考書の目次等を参考にしてもいいですし、1問に対して複数の単元を選んでもいいです(つまり自分が分かれば何でも大丈夫)。
以下は私が実際に作ったエクセルシートです。
5… 1~4を他年度の過去問で繰り返す
2011年~ 最新版まで、解く→記録するを繰り返します。
6… 繰り返し間違えた単元を特定する
過去問を10年分以上解くと、絶対に何度も間違える単元が出てきます。
それがあなたの知識の穴、そして頻出単元です!!
Excelを使用して記録した場合は、間違えた回数に応じて単元をグラデーションに色分けする(1回:薄い赤→3回以上:濃い赤)と、視覚的にも分かりやすくなり、「赤・・勉強しなきゃ・・・」と危機感を持てるので大変お勧めです。
7… 出来上がった記録を基に「頻出×苦手単元」を復習する
参考書やYoutube動画等を使用して該当単元をじっくり復習します。
苦手分野なので苦しいですが、ここが頑張り処です。
試験直前に見直すためのペーパーも、この頻出×苦手単元を中心に作ると効率的です。
そして、時間が許す限り過去問を繰り返し解き直しましょう。
※注意点
・直近2年分の過去問は、試験直前のリハーサル(初見の問題を本番と同じ環境で解く)のために手つかずで残しておくことがお勧めです。
・General Knowledgeは出題範囲が非常にランダムなので、この方法で対策することは難しいです。私は全く対策しませんでしたが十分合格点を取ることができました。本番でも、200%自信がある場合以外は回答を避けましょう。
同じ過去問を何度も解くのって無駄じゃない?
〇〇をしなければ確かに無駄
ここまで熱く過去問を礼賛してきましたが、そんなに万能な教材なんでしょうか?
よく聞くのが、「何度も解くと正解を覚えてしまうから、過去問に時間を掛けるのは無駄」という意見です。
確かに、ただ繰り返し解くだけでは時間の無駄です。
しかし、前述のように自分の苦手分野を分析すること、そして、IMATのような選択問題の場合は、「なぜ他の選択肢は不正解なのか?を完璧に
説明できるようにすること」で、効率よく試験対策を進める教材にすることができるのです。
まとめ
IMAT過去問は使い方次第で、試験直前の追い込み勉強に非常に役立つツールになります。
独学で対策をされている方は特に、不安になることも多い日々かと思いますが、自分を信じていきましょう!
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