紙媒体のBackofficeよさようなら!を目論む、ある総務の話
BackofficeのDX化を目指して
会社のDX化は少しずつ始まってきましたが、所謂Backoffice業務のDX化はなかなか進まないままでした。理由は簡単で、メインの業務ではないから。しかし、流石にパートアルバイト含めると500人に手が届きそうな会社、総務部でなかば強引に進めよう…となり、まずは人事労務システムから…ということで、数社見た結果、たかはしの所属する会社ではCM等でもお馴染みのSmartHRを使おうとなりました。
決め手は「エンドユーザー」である従業員にとっての見やすさと分かりやすさ。スマートフォンは持っていても「電話」「メール」「LINE」だけの人も多く、複雑になればなるほど拒否をされるだろうということを考慮して、これならいけるだろうという判断でした。
が、各々へ登録する依頼を出しても上司が部下に伝えていないから進まない・説明をしても理解ができない・書いてあるのに読んでいない…のオンパレード。各々に情報を入れてもらうまでに半年を要しました。
あんなこともこんなこともできる!と総務部は感動の嵐
管理側(総務側)も初期設定のままでは使っているうちに入らないという意識でカスタム項目を考えてみたり、申請機能をどう運用すればスムーズに業務ができるかダミー社員を作って検証してみたりしました。ダミー社員の××太郎さんは入退社を繰り返したり、引越しをしてみたり、在留資格情報が変わったり、出産したり…と性別や国籍など様々な垣根を越えた手続きを沢山してきました。
エンドユーザーにやさしいだけでなく、調べたらだいたいのことはわかるヘルプページの充実さ、チャット・カスタマーサクセスによるサポートがかなり強力であることも感動の連続でした。
最近は加えて有料プラン契約企業限定になりますが、ユーザー同士が繋がり情報共有できるコミュニティ「PARK」からも情報を得ています。
年末調整は他人事?いいえ自分事です
2022年まで
2022年末までは手書きの書類等を各拠点で集め、届いたものから本社で一つひとつ確認。
しかも、みんな期日を守らない。
平気で2週間ぐらい遅れてくる。
結果、担当者は休みも出勤して血眼になって強引に期限に間に合わせる…ちょっと前まではどこの企業でも当たり前だったと思いますが、会社でも2022年までは見慣れた光景でした。
2023年は
SmartHRを導入した2023年。カスタマーサクセス担当者ともギリギリのタイムスケジュールだけど頑張ってみましょうということで、年末調整をトライすることに。
実証実験を今度は各拠点の事務員や有志に手伝っていただくことで、様々な想定ができるような準備を整えて。実験中に聞こえてきたのが「滅茶苦茶簡単だね」という声。細かい欄に手書きで書く必要もなく、計算も自動でしてくれる。書いてある質問に答えるだけで正しい位置にできるというのは本当に楽だったと言われ、導入した甲斐があったねと担当とハイタッチ。
が、それで万事うまくいかないのが実運用。
ここで実際に合った色々を。
①最初に聞かれる「年内に退職予定はありますか?」の質問に「はい」と答え、確認の質問にも答えて年末調整が終わってしまった従業員。該当者にいつ退職するのか確認すると「俺辞めさせられるんですか?」
質問に答えてもらった内容を伝えたところ「こういったものはとりあえず“はい”と答えればいいと思った」そうで、事実を伝えると「内容読んでいなかった」
②「分からない!怖い!」と大騒ぎする集団。一人ひとり丁寧に読み合わせて本人にやってもらう。結果、単なる食わず嫌い。
③「なんでこんな面倒臭いことやらせるんだ!」…いえいえ、毎年皆さんやっていることと何も変わらないですよ?→保険証明書原本を事務員に渡して「書いとけ!」だったことが発覚。
これが世に出るのも憚られるのですが、そういった企業様も実はそれなりにあるのかもしれないなと思います。
「あなたの為の手続きなんです」と言い続け、分からない人と伴走して。ようやく全ての処理が終わって「やっと正常化できた」という感想です。
SmartHRによる年末調整の効果
まず、原本が届く前に画像で確認が取れるのが大きかったです。
各事業所で集まったら本社へ行く用事のある人が持ってくる…という流れだったので、事業所によってはいつまで経っても持ってこない。持ってこないから確認ができない。それがやれる人からどんどんやっていける。これだけで相当な時間短縮につながりました。
ダブルチェックが視覚で分かるのも安心感につながりました。
「チェック」と渡されても本当にチェックしているか怪しかったものが、ボタンを押すという行為がある分、間違いなく進められているのは大きかったです。
まだまだ次回の課題こそ残っているものの、やってよかったと思うのが総務部の感想。
従業員の反応は…
だいたい想定通りの結果が返ってきました(SmartHRサーベイを使用)。
手書きの方がよかったと書いた人は事務員に任せていた人なんだろうなと想像しております…。
今後の展開(人事労務関係)
次の段階は給与明細の発行・文書配布と契約。これらは現在試験段階にまで来ているのであと一歩。これらの運用ができたら他部署を巻き込んで分析レポート・人事評価へと目論み中。
SmartHR以外のBackofficeDX化としては、給与計算をM社で試験運用中・勤怠管理をA社かB社で悩み中…(※記載当時)。
DX化を進めたいBackofficeの方々へ
紙媒体からデジタル化をするのは「人数が少ないうちに」というのがキーワードになると思います。
早めに対処しなければ、どんどん複雑化していき心折れます。
また、Backoffice担当者だけが楽になるのではなく、その楽になった時間が有効活用でき、新たな効率化へと進む…と考えると、決して後回ししていい問題ではございません。
是非、決断はお早めに。そして、数多くのソフトを見比べて「本当に自社に合うもの」を選択してください。
追記:諸事情により、2024年10月一部表記変更を行いました
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?