感動できる時

オルタナティブロックって何だか格好いいなと思って当時色々と聴きあさったが、名盤と言われるようなものでもどうもよくわからない印象を持ったバンドもあった。そもそもオルタナティブはメインストリームから外れていれば全て傍流である。ここでも広義のオルタナティブで話を進めるが、聴いた瞬間に凄いなと思ったのはなかったように思う。
R.E.Mは何を言ってるかよく分からないし、単調で盛り上がりに欠ける。U2は青くさく泥くさく感じる。sonic youthやpixiesは叫んだりギターノイズがうるさくてかなわない。Nirvanaは凄い人たちらしいという余計な情報を持って聴いたらせいで、何がどう凄いのかが分からなかった。
自分の音楽遍歴でいくと、まずU2のachtung babyを電車でずっと聴いていて、突然「めちゃくちゃ格好いいじゃないか」と思えたのがオルタナへの目覚めだった。その後はjane’s addictionやらにもハマり、上記のバンドにも大体は聴き込んでそれぞれの良さを理解できた。
ところが、当時はどうしても理解できないバンドがあり、それがsonic youthとmy bloody valentineだった。最後まで聴き込めないというか、ただもう自分とは相性が良くないという感じ。
それから20年以上経ち、先日たまたまmy bloody valentineのlovelessを聴いてみた。格好良かった。めちゃくちゃ沁みた。時代が追いつくという言い回しがあるが、自分のこれまでの経験や年齢が漸くこの音楽を聴き込めるようになったということだと思う。ジャズやクラシックを聴いてきたこともプラスに働いていると思う。あの即興性や理論を構築した音楽性というものがあってこそ、それをいいように取り入れて、あるいは壊して再構築するような感覚が非常によく分かった。確かに名盤である。今度はsonic youthのgooも聴いてみよう。

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