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(2年目の記録)2022.8月

軸腐れ

8月初旬、前半は調子が良かった。作業もスムーズで、収穫をしながら主に剪定作業を並行した。剪定し終わると、次回からの収穫作業が捗る。
苗自体も風通しが良くなって病気にもなりにくくなる…と思っていたのだが、年々増す暑さには剪定し過ぎも良くないかもしれない、とも思ってきた。
そんな矢先、、、

動かずとも汗が吹き出る様な物凄い蒸し暑さと、その後2日ほど続いた雨混じりの不安定な天気。
そして、晴天かと思いきや夕立の様な雨が降り暑さが増した翌日。
収穫した実の状態が良くなかった。“軸腐れ“の様な状態の実が多く発生していた。
“軸腐れ”とは、実の上部にある軸の先端もしくは全体が黒くなった状態のこと。
詳しくは(1年目の記録)↓にて。

もうこうなると、出荷作業時の選別が大変になる。
いかに健康でツヤと濃い色とハリのある、美しい【ししとう】を育て上げるのが重要かをこの時再認識する。
虫喰い跡や傷についても、そりゃないに越した事はない。いや、ない方がいい。
何も問題のないキレイな【ししとう】の方が、栽培して出荷する者にとっても都合が良いのだ。

問題がないと選別作業もスムーズに進み、出荷準備も早く終了することが可能だ。
が、今回の様に特に数量的にも多く問題が発生すれば、選別に時間を取られ出荷準備もいつもの倍・3倍と時間がかかる上に、出荷数も激減する。
生産者にも良いことがなく、だからこそこうなる前に色んな対策を講じる事が大切となってくる。
2年目の自分には、まだ難しい。先手先手どころかいつも後手後手だ。

しかし、出荷作業で苦労はしたものの翌日収穫分では然程状態の悪い実は見受けられず、収穫量は倍でも出荷作業は順調に進み昨晩よりも早く完了することができた。

盆休みと盆明け

8月も中旬に入り、お盆がやってきた。
盆休みと言っても出荷が休みなだけであって、作業的にはする事があり“休み”という休みはない。が、休もうと思えば休める。作業をしなければ良いだけの話。
1日目は、追肥をした。
2日目は、作業を休んだ。
3日目は、盆明け出荷のための、収穫と出荷準備が再開した。

お盆中は、晴れ間もあったものの曇りや雨・夕立等の不安定な天気が続き、収穫した実の状態がまた芳しくなかった。
そして、自分自身も少々熱中症気味かと思われる症状もあり、芳しくなかった。
休憩を取りながら、ぼちぼち作業。
盆明けは、日程表では出荷可能日が4日連続となっていた。通常多くても3日連続。
これまで、3日連続で出荷をしたことはあったが、流石に4連チャンはない。
そもそも、4日連続は今回が初だ。

盆明けの、出荷2日目。
実に黒みがあるものが多発。

この画像は、2023.10.31の出荷余り分(自宅用)

黒くなる原因:高温、低温下での直射日光(強い紫外線)を浴びた場合
       極端な乾燥状況によるストレス など
       ※ 主に、8月や10月以降に良く見られる(自分畑調べ)

どれも、アントシアニン(ポリフェノールの一種)が発生し実の表面が黒(紫)になる
食べても問題はないし、味も変わらない
むしろ、栄養価が増したと思って食してもらいたい

ただ、これは「色艶ハリが良くて、実に黒みがある」状態を指している。
なので、色も艶もハリもなく何だか萎れている様な柔さがあって黒くなっている場合は、食べるのは避けた方がいいかと思う。 腐っているかもしれないので。

2年目はまだハッキリと原因を把握出来ておらず、余りに多いので担当者へ相談。
合わせて、実に艶がないことについても対策を聞いてみた。
、、、これといった明確な原因や対策を聞くことはできなかった。
ただ、実が黒くても出荷は可能だ。M・Lには入れることが出来ないが、ちょっとした規格外をまとめて入れられる大袋には入れても問題がない。
ただし、黒みが実の半分以上となる物や多量投入は不可である。

こちらは、2022.8月の画像(↑の2023年画像よりも黒みが薄い)
2023年画像のシシトウは、朝晩の寒暖差のある中長期間収穫しなかったもの
こちらも、2022.8月の画像(相談した、艶のないシシトウ)
水分不足では?と言われたが8月中旬は雨がよく降ったので、原因不明
上の画像と同日に収穫したシシトウでもある

そして、盆明けの出荷3日目。
朝出荷を済ませ、仮眠を取り、午後〜収穫。明日4日目の出荷用の準備に入る。
お盆から天候が不安定で、明けても雨や曇りを繰り返しており、水やり不要なのは助かるが収穫後に実を乾かす必要があるので、少々大変だ。

流石に4日連続の作業ともなると、体調も良いとは言えない様子。時折休憩を挟みながら作業を進めていく。
この4連チャンの出荷準備中は、Mサイズを除外しLサイズと2Lサイズの2種のみの出荷を行った。少しでも作業を早く終わらせるためだ。
出荷準備は整った! 後は朝、袋とパックを閉じる作業のみだ。と、しばし仮眠…

やってしまった…

………………。目が覚めたら10時半。
出荷可能時間は、午前8〜9時。 今は、10時半。
………………………………………………………………。
暫く、と言っても1分程だったと思う。呆然としてはいたが、脳内は大パニック!!

(やばい、やばい、やばい、どうしよう;;;これはヤバい、ヤバいぞ)))))

とにかく、封をしていない!まずは袋とパックの口を閉じねば!!!!
と、早速作業をし、担当者へTEL!
もちろん集荷場の集荷は既に完了しており、更にはJAの集荷先での検品作業も完了し、既にトラックは市場へと出発した後とのこと、、、

(おわた)

せっかく収穫して選別して袋詰めして封して、、、出荷のために、、、あぁ、、、
大寝坊で全てパ、、、アには、させないゼ!!!!!!って事で、担当者にどうにかならんかと相談。(もう必死も必死))))
そして、一時冷蔵保管で次回の出荷時に問題なければ一緒に出荷とのこと。
あぁ、どうにか命繋ぎ止めれたかも。。。と、少し安堵。
問題ありで廃棄になった場合は、それは仕方がない。自分のミスでありここまでしてくれたのだから、そう思った。

帰宅後、ゆっくりどっぷり眠りについた。

頑張ること と 出来ること

それから、仮眠が怖くなった。
そして、無理な出荷はやめることにした。
そもそもが、自分のキャパを超えた作業量だったのだ。限界を知ったのだ。
更には他者に迷惑をかけたのだから、今後十分気を付けねばならない。反省点だ。

「頑張る」ことと「出来る」ことは、同じだと思っていた様だ。でも、違った。
「頑張る」とは、自分が出来ようが出来まいが力を尽くすこと、出すこと。
「出来る」とは、自分が行えるする事が可能な行為。
そう、今回の失敗というか大失態で分かったことだった。
キャパを超え出来るはずもなかったのに、頑張れば可能であると思い込み余裕を持った予定を立てることもせず、突っ走った結果だった。

自分が体調を崩しては、元も子もないのに。
他人に迷惑をかけては、元も子もないのに。

十分反省した所で、落ち込んでばかりはいられない。作業は続くよ冬までは。
ということで、今回の大失態で得たことを肝に銘じ、また作業をするのでした。

8月も下旬になり、途中少々実の状態が悪い時もあったが、栽培も出荷も順調だった。
収穫をしながらまた剪定作業をし、収量も多かったが下旬の後半には段々と落ち着いてきた。
月末には、実の成りが全体的に減少していた。

次は、【ししとう栽培】2022.9月で。
毎月毎月、何かしらトラブルが発生し時には自らトラブルを起こし反省から奮起する日々。
9月もどうやら何かしら大事になる予感?!


では。

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