北岡英樹

何をするか分かりませんが、何卒よろしくお願いいたします。

北岡英樹

何をするか分かりませんが、何卒よろしくお願いいたします。

最近の記事

日常

今っていつだろうと たった今が 何の悲壮感もなく 思い出に変わり果てて行く  ボンネットをたたく思い出が絶えない 車の中からは 思い出の雨が ワイパーで除かれる 思い出はどこへ行くのか 日常と言う下水道から声がした 車から降りて  ここからかなと マンホールを開ける おーいと呼ぶと何の応答もない 下水の匂いがいつまでもしていた

    • 水飲み場

      噛みちぎる 手首から出る 赤い血で 水飲み場の夏 血を浴びて

      • 漫画のように

        本当に この世にいることを実感したら 漫画のように 目ん玉飛び出すと思います。

        • 何の証明

          ハンコ押すとき 頭蓋骨割れるほど 自分の名前を叫びます だって自分を証明できるのは ここにひとりしかいない

          分からないっていいな

          雨が降ってる しばらく傘さして 雨の中にいた 雨の音を聞いていると 自分がどんどん遠くなる 雨って言葉が まだなくて これは一体なんだろうなと思いたい これは一体なんだろう この先に何かあるかも知れぬ とにかく歩いていこう 近所の路地がはるか遠くなる 分からないっていいな 好きだ

          分からないっていいな

          道端で

          垂れ下がる 目ん玉 口に 頬張って 歩く 誰かに 口移し

          変な夢

          手首の脈で 乗ってきた 自分のビートでシャバズビバ 表に飛び出し 気が済まず 頭の中から飛び出して 今朝見た変な夢の中 頭禿げて ラーメン食べた 頭禿げて ラーメン食べた 胡椒がないから 女のはだか 手首の脈で 乗って来た 自分のビートでシャバズビバ

          海の味

          ビンチョウマグロの刺身を食べる。 うまい。 海の味だ。 考えてみると、 赤い血が湧いて生きている私は、 海を他人とは思えない。 扇子で仰ぐ風も、 ちょっとした潮風の風情で、 人との繋がりが、 二度と同じ顔を見せない、 波模様に思う。

          がってんだ

          自分が いつか必ず死ぬことを実感すると もうやるしかない がってんだ 悲しみも病いに思う がってんだ 死こそ 健やかなり 我が阿呆に弾丸を込めて

          がってんだ

          無意識

          足音 物音 楽器の音 あ、あの人だと 無意識でも感じてる 風の音が聞こえてる 一体これは誰の音 私にだけではなく この世自体にも 無意識があるような気がする そこに 私の鼓動が鳴ればいい

          夜釣りのように

          夜に思う。 私を流れる血に、 私は訪ねた。 今、昼間より いい感じじゃないのかい。 医学的にではなく、 ただ思うがままに答えておくれ。 夜釣りの、 竿の当たりを待つように、 私は訪ねる。 夜は、 本当に気持ちよくないかい。 なぜ気持ちいいのかなんて、 もういいから。 潮っからい赤い血よ。 言っておくれ、 私の血よ。 もう私にも止められない。 ああ、赤いぬるい私の血よ。

          夜釣りのように

          ごめんやで

          肉 犬 散髪屋さん 生コン車来ました たけのこ族 首狩り族 肉のまんま帰りました 犬の遠吠えの刺身になります ごめんやで もう、たけのこ族の串焼き終わってしもて 散髪屋さんで 首狩り族はみんなテクノカット そう、今からみんなテクノカット はーい、 今日最後の生コン車来ました はーい、はーい、はーい、ストップ

          ごめんやで

          死体

          陽がかげるのは、 寂しくもあるが、 気持ちがいい。 この気持ち良さは、 世知辛い浮世から、 はみ出ていている気がする。 薄ら寒い現実より、 冷たくなった死体の方が、 私の心を、 にわかに温かくしてくれた時がある。 その時も、 私に陽がかげっていたように思う。

          障害

          きれいごとばかりの 世の中にいると 辟易する きれいごとこそ障害だ まあいいや 今日は日曜日 腹が減った あんぱん食べたい 子供の頃の 障害物競争にぶら下がってた あのあんぱんを

          恋ごころ

          遊女を待って 置き屋の前に 男が一人立っている 捨てられないのは恋ごころ 今日も朝から立っている 女将が窓からそれを見て 丁度良かった 今日はごみの日 よく燃えそうな恋ごころ

          こやつ

          ピアノなりギターなりを、 デタラメに鳴らすのは楽しい。 上手い下手ではない、 デタラメが楽しい。 でも、 途中でちゃんと弾かなければと思う、 クソ真面目な自分がひょっこり現れる。 がたがた言うんじゃないと、 五線譜でぐるぐるに縛り、 へし折ったト音記号で止めて、 こやつの前で私は、 永遠にデタラメに奏でるのだ。