なんでオフサイドってあるの?

 みなさん、こんにちは。今年もJ1とにじさんじのコラボが発表されました。新しくサッカーを観る人のために、初心者が一番つまずきやすいルールであるオフサイドについて解説したいと思います。
 解説とは言いましたが、どうなったらオフサイドなのかというルールの説明ではなく、なんでオフサイドが存在するのかについて解説します。
 「オフサイドさえ無かったらもっと点が入って面白いのに」とか「オフサイドのせいでぬか喜びさせられた」ってことがみなさんあると思います。ややこしい上に存在理由が分からないからすごく煩わしいですよね。
 ですが、サッカーはオフサイドがあるから面白いのです。前書きはこれくらいにして本題に入りたいと思います。

オフサイドは待ち伏せ禁止ではない!?

 よくルールブックや解説動画、マンガなどではオフサイドは待ち伏せ禁止というルールなんだよと解説されています。ですが、この解説は間違いです。初心者が納得しやすい解説なので定説になっていますが、本来は違います。
 待ち伏せ禁止ではない根拠は、サッカーとルーツが同じスポーツのラグビーにもオフサイドがあるからです。ラグビーのオフサイドは待ち伏せしているようには見えません。同じ言葉を使っている上にルーツも同じなら解釈も同じはずです。
 では、本来の存在意義とは何なのか。それは「サボるの禁止」です。サッカーは元々は紳士を育成するスポーツでした。なので、みんな頑張ってるのに1人だけ楽するのは非紳士的行為と見なされてきました。
 では、具体的にどういう状況ならサボっていると見なされるのでしょうか。それは「プレーエリア」の外にいる場合です。
 「プレーエリア」とは選手がたくさんいて、ボールの奪い合いがたくさん起きる場所のことです。具体的には次の画像で示されている場所です。

プレーエリア

 DF(ディフェンス)ラインとタッチライン(出たらスローインになる横の縦線)で囲まれた四角い場所のことをプレーエリアと言います。
 DFの前には当然、お互いに選手が多くいることが分かると思います。そして、忘れてはならないのがボールの存在です。ボールがDFラインの後ろに行ってしまった場合はプレーエリアが変わるので注意です。
 この画像ではDFラインがオフサイドラインになっていますが、オフサイドラインはボール、中央のハーフウェイラインになることがあります。ここらへんはルールの解説動画などできちんと説明されていると思うので割愛します。
 重要なのは、オフサイドはこのプレーエリアの外でボールをもらうという反則だということです。「プレーエリアの外でサボってた癖にボールもらおうとするな」が正しいオフサイドの解釈です。

オフサイドがもし無くなったらどうなる?

 ここまでオフサイドの存在意義を解説してきました。ですが、まだ納得できない人もいると思います。
 なので、もしオフサイドが無くなったらどうなるのかも解説したいと思います。
 オフサイドが無くなると、中盤という概念が無くなります。次の図を見てください。

 このようにDFとFW(フォワード)で半々に分かれて、GK(ゴールキーパー)からゴール前のFWまでロングボールをお互いに蹴るスポーツになってしまいます。
 ドリブルはただ体力を減らす無駄なプレーに、小気味よいパスワークは無駄の多い贅肉のようなプレーになってしまいます。
 ゴール前でほんのちょっと触れば点が入るマネケなスポーツになってしまいます。実際の試合でも試合の終盤には「パワープレイ」というこれに似た作戦を取るチームもいます。ですが、オフサイドがあることで思い切ってDFラインを高く上げることで、ゴール前に相手選手が留まることを咎めることができます。
 なので、オフサイドが無いとただロングボールが飛び交うスポーツになってしまい、サッカーの魅力はなくなってしまうのです。

 解説は以上となります。最後にサッカーファンはオフサイドに対してどう向き合ってるのかを解説して終わりたいと思います。
 「本当だ。オフサイドやん」
 これくらいです。オフサイドは必要だけど、執拗に気にする必要はありません。気楽にサッカーを楽しみましょう。
 ご拝読ありがとうございました。

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