無個性の自分。

最近は「天然だよね」とか「変わってるね」と言われなくなった。
話し方が変わったと思う。
すごく考えて話すようになった。話の飛躍や突拍子もないことを言わなくなった。
自分の個性が一つ死んだかもしれない。でも、それで良いと思ってる。
大人になるってそういうもんだ。

若ければ可愛いで済むが、三十路にもなればそうはいかない。本気で引かれてしまう。
身内には通じても、他人に個性は通じない。特に仕事においては。
だから、28歳ぐらいで必死に治した。人と話す時、自分の思考を立ち止まり振り返り考えるようになった。
正直、頭の中は大変だ。疲れる。

プライベートで人と話さなくなったのは、そのせいかもしれない…。ひとりの趣味に走るようになったのは、頭が疲れないからかも。黙々と作業できる園芸にハマったのもそのせいかな。

同じようにして、自分の色んな部分を矯正した。片付けやマルチタスクが苦手とか、自炊嫌いとか、色々治してきた。

こうして、特徴の無くなった自分を見るのは、夕日が沈んだ後の茜色の空を眺めるのに似てる。あっという間に、気付かぬうちに、あの日の自分はもういない。
残った静寂は、ただ空を闇に染める。
つまらない自分だけの、それ以外何も無い世界。

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