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コントラクトブリッジの祖先のゲーム「ホイスト」の簡単な遊び方

コントラクトブリッジの祖先に当たる「ホイスト」というカードゲームがあります。「コントラクトブリッジはどこからやってきたのか調べてみた」という記事でも紹介していますが、このゲームは16世紀のイギリスが発祥とされるゲームで、いわゆる「トリックテイキングゲーム」の一種です。コントラクトブリッジを理解する上で、この「トリックテイク」の原理はゲームの基本となります。
日本コントラクトブリッジ連盟さんが公開している「ミニブリッジ体験教室実施要領」というマニュアルでも、初心者にブリッジの説明をする際、一番初めにこの「ホイスト」の遊び方を指導することを提案されています。そこで、今回はこの「ホイスト」の遊び方を簡単にご紹介したいと思います。厳密なルールではなく、簡略化した内容となっていますので、ゲームマニアな方々にはご理解いただきたく思いますー。

簡易版ホイストの遊び方

1. プレイヤーは4人
このゲームはペア戦です。ペア同士が向き合って座ります。東西南北の配置になり、北・南ペア(NSペア)と東・西ペア(EWペア)で対戦します。

2. 誰か一人が52枚のカードを13枚ずつ、時計回りに配る
とりあえず誰かがカードを配りましょう。使用するカードはジョーカーを除いたトランプカード52枚です。(スペード、ハート、ダイヤ、クラブ各13枚ずつ)配る人の左隣から1枚ずつ時計回りに配ります。そうすると、最後の1枚が自分のところに回ってきて、手札は一人13枚ずつになります。
カードを配る人の決め方として「山札から4人全員が1枚ずつカードを引き、一番大きい数字を引いた人が配る」というものもありますので参考まで。

席順と配り順

3.  スーツフォローの原則
カードを配った人の左隣の人が、最初の1枚を出しましょう。好きなカードで良いです。それに続いて、残りのプレイヤーも時計回り順で1枚ずつカードを出します。ただし、カードを出す際には決まりがあります。
例えば、最初に場に出たカードが「ハート」だった場合、残りのプレイヤーも同じく「ハート」のカードを出さなければなりません。これを「スーツフォローの原則」と言います。手札にハートがなかった場合には他のスーツ(マーク)のカードを出すことになりますが、ハートではないため負けになります。

スーツフォロー

4. トリックを取る
最初に場に出たカードが「ハート」で、残りの3人もカードを出しました。その場に出たハートのカードの中で、一番数字のランクが高いカードを出した人が、その回の勝ちとなります。これを「トリックを取る」と言います。
カードのランクですが、一番強い数字は「エース(A)」、二番目は「キング(K)」、三番目は「クイーン(Q)」、四番目が「ジャック(J)」、それ以降は数字の大きさ順の強さとなり、一番弱い数字が「2」となります。

カードの強さ

5. トリックを取った人が次のカードを最初に出す
トリックが終わったら、自分が場に出したカードを裏向きに伏せ、テーブルの端の方に並べます。その際、勝ったトリックのカードは縦向きに、負けたトリックのカードは横向きに置いておきます。これで勝ち負けの記録代わりとすることができます。(ペア戦なので、自分かペアの仲間が勝っていれば勝ちです。)

カードの並べ方

場のカードを取り除いて上記の図のように並べたら、前のトリックで勝った人、つまり、場に出たカードの中で一番強いカードを出した人が次のカードを最初に出します。

6. 手札がなくなるまで繰り返す
3〜5の手順を繰り返し、13回勝負をします。手札が13枚ずつですからね。

勝敗の付け方
NSペアとEWペアで勝ったトリック数を比較し、多かったペアが勝利となります。13回の奇数なので、必ずどちらかが勝ち越ししているはずです。

コントラクトブリッジとの違い

切り札(トランプ)がない
切り札とは、スーツフォローの原則を打ち破って勝つことができるスーツを1つ決める遊び方で登場するものです。最初に出たカードのスーツが出せない時に、切り札になったスーツのカードを出すと、切り札を出した人がそのトリックを獲得することができます。切り札が2枚以上場に出た時は、数字の強さで勝ちが決まります。
ホイストでも切り札を決めて遊ぶやり方がありますので、先述のルールに慣れてきたら切り札ありのホイストを遊んでみると良いと思います。(手札を配る際に最後の1枚(配る人の13枚目の手札)をオープンし、そのカードのスーツを切り札とする、というルールが簡単でしょうか。)

勝利数宣言がない
先述のルールでは、カードを配って13回カードを出し合うだけですが、ゲームを始める前に、自分の手札を見て「自分たちのペアで○勝できると思います!」と宣言して賭けをするやり方もあります。この遊び方では勝ったトリック数を競うのではなく、宣言したペアが宣言した勝利数を獲得できるか/失敗するかで勝敗を決めます。つまり、宣言通りかそれ以上トリックを取ったら宣言したペアの勝ち、宣言したトリックを取ることができなければ宣言したペアの負け、ということです。

オークションがない
というか(切り札+勝利数宣言)の入札=オークション、ということなのですが、つまりはそういうことです。(適当)
ちゃんとしたオークションの説明は、いつもご紹介している日本コントラクトブリッジ連盟さんの「Let's Play Bridge」を読んでくださいー。

スコアリングは省略しました
ホイストでもブリッジでもスコアをつけて遊ぶルールが存在しますが、今回は触れていません。

まずはトリックテイクを覚えよう!

というわけで、非常に簡易的なホイストの遊び方をご紹介しました。ブリッジをするにはこの「トリックテイク」の遊び方ができるようにならないと何も始まらないというところです。「ブリッジ興味あるな〜」という方は、とりあえずホイストを覚えましょう!慣れてきたら、いろいろなルールが付加されたホイストやブリッジ系のゲームにも挑戦してみてください〜ではー。

サポートはコントラクトブリッジに関する記事執筆のための調査費用、コーヒー代として活用させていただきますー。