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謎のついたて「ブリッジスクリーン」とは何か?

コントラクトブリッジの競技会では、ゲームをする際、テーブルの上に「ついたて」を置いてプレイすることがあります。これは「ブリッジスクリーン」と呼ばれるものです。

競技会で使用されるブリッジスクリーン

コントラクトブリッジはペア戦のゲームなのでパートナーシップが勝利の鍵となります。そのため、競技会で勝ちたいがあまり、ペアが共謀してお互いの手札の内容を伝え合うような不正行為に手を染めてしまう人もいます。それを防ぐため、このようなついたてを使用することがあります。といっても、ブリッジの競技会の様子なんて見たことがない人の方がほとんどだと思いますので、以下の短い動画をご覧ください。

四角形のテーブルの対角線上に1枚のついたてが置かれています。4人でテーブルに座っているのに、これではパートナーの顔が見えません。しかし、これによってビディングカードとトランプカード以外の情報をやり取りできないようにしているのです。

ブリッジスクリーンは大抵の場合、世界大会のような大きな大会で使用されることが多いです。ブリッジの国際団体であるWorld Bridge Federationでは、国際試合の競技要項を作成しており、その中にもブリッジスクリーンに関する規定が定められています。

(ちなみに、日本コントラクトブリッジ連盟さんのサイトでは、ブリッジスクリーンの箇所を抜粋し日本語にしたものを公開されています。)

ブリッジスクリーンを使用したブリッジの試合を見てみたいという方は、YouTubeに過去の世界大会や選手権の動画が多数アップされているので、検索してみてください。

また、ブリッジの情報サイトGreat Bridge Linksの特集記事や英語版Wikipediaのブリッジスクリーンの項も参考になります。

これは厳格なルールの元で試合をする場合に使用するものなので、普通に遊ぶ分には必要ありませんが、ブリッジ用品店で取り扱っている例もありました。

セール価格のU.S.$290.00を2021年7月現在のレートにすると32,190円ぐらいになるようですが、これなら安いかもしれません。(←)

というのも、YouTubeで自作したブリッジスクリーンを解説する動画を見たことがあるのですが、めちゃくちゃ大変そうなんです…

海外のショップから輸入して国際配送を頼む労力と巨大なスクリーンを自作する労力とどちらが簡単なんですかね…

また、ブリッジスクリーン越しにビディングカードをやり取りするためのトレイ(お盆)も販売されています。

このトレイの中央には手札を格納するボードを置く場所があり、その周りの4つの区画にそれぞれのプレイヤーがビディングカードを出して、オークションを行います。

商品名はBridge Passing Tray、Screen Trayとなっていますが、正式名称は何というのでしょうね。

感染症予防のためのブリッジスクリーン

ここまでは競技会などで使用されるブリッジスクリーンをご紹介しましたが、これとは違った用途のついたても今では盛んに使用されています。それはアクリル板のついたてです。

感染症が猛威を振るうご時世になって、日常生活の中にアクリル板のついたては至る所に設置されているわけですが、それはブリッジ界も然り、ということです。

こちらも、先述のブリッジ用品店で取り扱いがありました。

アクリル板のスクリーンでは、競技会で使用するブリッジスクリーンと違って、プレイヤー全員の顔や手元もちゃんと見えますが、飛沫をブロックすることができます。

また、こうしたついたてを入手するのが難しい場合には、日本コントラクトブリッジ連盟さんが段ボールで作ることができる感染症対策用スクリーンの作り方を紹介されていますので、参考にしてください。

こうしたついたては麻雀や他のボードゲームをする際にも活用されているそうですが、オンラインブリッジばかりでなく、対面でカードを使ったブリッジを楽しみたい時は重宝しそうです。


というわけで、今回はブリッジスクリーンについてまとめてみました。当方は競技会参加を目指していないので実物は見たことがありませんが、いつかそんな機会があると良いなと思っておりますー。ではー。

サポートはコントラクトブリッジに関する記事執筆のための調査費用、コーヒー代として活用させていただきますー。