山梨県 亀甲橋(きこうはし) 昭和8年に架橋
昭和8年(1933)に架けられた3連のアーチ橋です。現役の車道橋です。
読みは「きこうばし」なので、タイトルにもかっこ書きしておきました。
アーチ部分以外は補強もされているとのことで、よく見てみると下部工ブラケットから伸びるPCケーブルがありますね。そして縁端拡幅も。
古いトラスやアーチを見るときに、支承や接合部がどうなっているのか?が気になります。
こちらはピン支承でして、格点のピンを受ける形になっています。現代の支承ならばアーチの格点直下になるので、位置としては高さ方向にずれがあります。当時ならではの構造ですね。
添接板はフランジ(トップ)、ウェブ、フランジ(ボトム)に分かれるのですが、フランジについてはウェブに1列入り込んでいます。これはなぜですかね?と。
単に「フランジの張り出しが少ない」というのは現代的な見方で、ほかの部位を見ると、そもそもフランジとウェブを溶接していないんですね。なるほど。現場での組み立て、大変だったでしょうね。
それにしても、耐震補強の設計をした方も、施工をされた方も、ご苦労が多かったでしょう。上部工ブラケットの取り付けの設計となれば、ボルト接合のための削孔が必要になりますし。昭和8年の橋にアトラーで孔をあけるって、どんな気分なんでしょう。なにか別の方法かも。「最小板厚22mmで設計!」って母材の板厚が・・・・と、なりそうです。
土木学会選奨土木遺産(2017)です。
土木学会の歴史的鋼橋検索のサイトにも載っています。