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群馬県 上越橋~世代交代した新旧の橋が並ぶ

 関越道を通り、新潟との道を往復する機会がありました。
 時間に余裕があったので、帰路は湯沢ICから国道17号を南下して、群馬に戻るルートにしました。GoogleMapを見ていると「クロソイド曲線記念碑」という一般の方には馴染みがなさそうな、いや建設関係の方には親しみのある名前があったからです。

クロソイド曲線記念碑
記念碑に刻まれた曲線や数式

 線形計算をすると必ず登場するクロソイド曲線ですが、まさか石碑でお目にかかるとは考えてもいなかったので、感慨深いものがありました。もちろん、家族に説明しても(以下省略)
 新三国トンネルを群馬側に抜けたところに記念碑があり、ふと振り返ると新旧のトンネル、新旧の橋が並んでいました。新旧の橋は「上越橋」と「新上越橋」です。国土交通省の点検結果を見ると1958年に架設されたとのこと。
 上路アーチでありリベット接合された古い造りのアーチで味があります。アーチ部分が華奢でして、その造りからも長い期間を経てきていることが伝わってきます。

上越橋

 ピン支承部は、いくつか重なった部材(板材)の間に支承が挟み込まれるような状態です。溶接ビードも見えるので、溶接構造なのでしょう。また、両切りでナットでの締め付けのようです。3山のねじ切りの余長がないのが気になるところですが、設計当時の考えってどうだったのでしょうか?

支承部

 上越橋で一番気になったのは、ピン支承近く下横構や対傾構のダンパーブレースです。2010年頃に施工されたようです。

ピン支承付近のダンパーブレース

 目を奪われたのは下横構の交差部分です。このアイディア、考えた技術者の方、すごいですね。貫通できる構造になっているのですが、施工時はフリーですし、何か仮固定しながらセットして、、、と、現場での位置合わせがいささか大変だったのかな?と思います。

下横構の交差部

 側径間部のおそらく鈑桁部分も腐食が進んできており、本当によく戦った、耐えたという印象です。
 すでに新しい新上越橋での通行となっており、こちらの上越橋は閉鎖されていました。ご苦労様でした。

側径間 橋台側の支承部

 偶然にも拝見できた上越橋を後にして、国道17号を南下するのでありました。

新旧の三国トンネル 右側のフェンスの向こうに上越橋