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さらに外桁? 床版補強対策を拝見

 竣工以降で床版の補強となると、主桁間であれば縦桁の増設、さらには縦桁の主桁化といった床版支間の低減などの対策があります。外桁の外側の床版を支えるとなると側縦桁の追加が選択肢です。しかし、もともと断面力が大きい外桁にとって、さらに鋼重が増える対策となると、断面補強や諸々の対策とのコンフリクト。言葉としては出しませんが、「架け替えたほうが・・・・、いや・・・・」というささやきになりかねません。

上下線とも外桁を追加している事例

 設置空間や下部工断面の制約があるので、必ずしも採用できる方法ではないのですが、外桁外側に新たな主桁を配置している事例を拝見しました。当然のことながら、既設桁と同様の桁間隔ではなく、写真のように既設外桁と近接しており、また、フランジ幅が大きくなっています。

新旧外桁

 既設の主桁に溶接で垂直補剛材(横桁の仕口あり)を取り付けて、横桁をボルト接合、追加の外桁とも垂直補剛材で添接する取付け方のようです。

新旧外桁の空間

 それにしても、外桁追加でさりげなく重厚感が増していますね。

外桁が追加された高架橋

 個人的には、その狭い空間の作業って、どこから出入りするの?ということが疑問です。作業に必要な寸法はもちろん確保されていると思いますが、工事の足場は?昇降設備は?といった点は、かかわった会社さんの工夫があったのでしょう。

私の体形では無理がありそうな間隔の狭さ

 あとは、施工時の位置合わせ・高さ合わせ、活荷重たわみの桁間差異、格子解析での分配効果といった点で、設計と現場で合わせ込んでいく作業がありそうで、ご苦労をお察ししています。