岐阜と出会った12年
2024年7月31日、岐阜髙島屋の閉店の日。
先だって7月14日に訪問しました。
岐阜と縁ができたのは2012年春に中部事務所に異動になった際に、岐阜担当、と言われてから。名古屋もそれまで2回くらいしか訪れたことがなく、岐阜は初めて訪れた地でした。
岐阜市には髙島屋があって、当時自由書房EX髙島屋店がありました。今は大垣書店岐阜髙島屋店となっています。
その岐阜髙島屋が本日2024年7月31日に閉店となりました。
自由書房の営業部長だった現店長には、色々と学ばせていただいた思い入れがあり、中京圏を去って既に6年以上音信不通だったけれど、思い切ってアポをとって訪問。
変わらず溌剌とされているお姿にほっとするとともに、書家としてもご活躍されているという一面を初めて知って驚きました。
御書印をその場で記入、芭蕉の句の解説もいただき感激。
閉店に向けてお忙しい為、長くは話せなかったけれど自由書房時代から変わった店内を拝見し岐阜の老舗呉服店主の著書を入手しました。
地方百貨店には独特の魅力があると感じます。都市の百貨店はハイブランドや最先端のファッションが満載で、庶民の日常使いには躊躇してしまうものも多い一方、地方の百貨店には「ちょっと背伸びしたいいもの」がたくさんあるように感じます。
転勤中は岐阜髙島屋で仕事の帰り道にこっそり買物をしました。セールになっていたOXOのスクイージは10年たった今でも浴室で毎日活躍しています。
転勤していた時から、「県内に百貨店を残す」という思いが岐阜の方に強くあると聞いていたので、岐阜の方々の心痛やいかばかりか。
今回はここから3人の中京エリアでお世話になったラウンダーさんたちと合流。久しぶりにお会いする感動とともに柳ヶ瀬を散歩します。
閉店が決まってから柳ヶ瀬がかなり賑わっているとのことで「柳ヶ瀬ブルース」の美川憲一さんも来訪されたそう。
一回りして岐阜市民のソウルフード「冷やしたぬきそば」のお店、更科の行列に並んで腹ごしらえ。
蕎麦湯までいただいて満足して退店します。お互いの近況で話が尽きません。一人旅が好きな私ですが、苦楽をともにした、している方々との道連れ旅は一人旅以上の充実感を覚えます。
その後は「ぎふメディアコスモス」通称?「メディコス」に向かいます。
図書館の概念が揺さぶられる館内でした。
大人女性4名で会話をしながらぶらぶらしても違和感がない図書館。図書館は静かにする場所、という固定観念が拭えない私にとっては驚きの、とても開かれた素晴らしい場でした。
自社商品はあるのか、とみんなで探すという大人らしからぬ遊びも堪能。検索したところ貸出中で、ニーズがあることにも安心しました。
おしゃべりと笑いと驚きに絶えない館内散策を終え、長い長いお茶タイムを雨でしっとりと濡れた庭を見渡すスターバックスにて。
7月頭の猛暑から一息、梅雨空の過ごしやすい気候の中、私が12年前に初めて岐阜を訪れ、6年前の7月に去ったあと、今岐阜にいるという「周期」の不思議に驚きを隠せませんでした。
そして帰任と同時期に退職した、ずっと岐阜でご一緒したラウンダーさんとも再会できました。もう2度と会えないとすら思っていたのに。
人生の出来事は、そうなるようにできているものなのだと、昔から感じていることをさらに強く認識した岐阜再訪でした。
また岐阜を訪れるような気がします。きっと、たぶん、6年後に。
髙島屋の横には初めてみる高いタワーが建っていました。世の中は常に変化しているけれど、私が過ごした6年の思い出は決して変わらない。
地方都市の魅力を教えてくれた岐阜への思いも決して変わらない。
(本文中の店舗名は敬称略です)