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『28℃の教室』

雲1つない晴れた天気に似つかわしくない、ジメジメとした教室。私たちは



―――――中間考査を受けていた。


出席しなければならない日にちが、1番多い、2学期の始まり。
新型コロナウイルス、というよく分からんウイルスの感染拡大に伴い、私の高校も“分散登校”という形で学校に通うことになった。ちなみに休みの日は、私たちの学科のみ、オンライン授業。実質、毎日学校に行っている状態と、あまり変わらない日常を送る9月。
けれども、やはり授業に遅れが多少なりとも出ているようで、テストはなくなるかもしれない、と噂がたつ。しかし、その噂は3日と立たないうちに、担任が告げた言葉によって砕かれた。
「中間考査は、うちの学科のみ行います」
クラスの半分以上が落胆の声を上げたことは言うまでもないだろう。むろん、私も落胆そた。

―――そして、冒頭へ戻る。
冒頭へ戻る……というか、お前、早く問題解けよ、と思われるかもしれない。が、お気になさらず、そこはスルーしてほしい。今受けている、数学のテストはすでに問1から、意味が分からず、勘で解いている。高校に入学してからというもの、数学で赤点回避できたことは1度もない。つまり、問題を解こうが赤点をとることは約束されている。今さら、一生懸命解いたところで、無駄にエネルギーを消費するだけだ。

閑話休題。
冒頭で、ジメジメした教室、と私は言ったが、その説明をさせてくれ。いや、ください。
ちなみにこの学校、私立、というだけあって、暖房冷房、完璧に備えられている。ならば、何故、私がジメジメした教室、と言ったのか。実は、朝、担任から恐ろしい言葉を告げれたのだ。
「エアコンが、壊れたようなので、冷房が効かなくなりました。皆さん、暑いかと思いますが、我慢して受けてください」
この担任、今日の最高気温が何度か、理解して言ってるのか???今日の最高気温は、28℃だぞ?!そう1人でボケツッコミしながら、憂鬱になった。
そして、今のこの教室は28℃の炎天下。むしろ、外の方が涼しく感じる始末。なんで、こんな目に会わなきゃならないんだ……。
拭おうが、だらだらと溢れだしてくる汗。解けない、三角比。もう、嫌だ!!!!!

キンコンカンコーン。

テスト終了を知らせる鐘が鳴った。空白の多い解答用紙を回収し終わり、委員長が号令をかける。
やっと終わったという達成感。満足感。そんな感覚に包まれながら、私は、自分の鞄から、財布を持ち出した。行く先は、もちろん、1階の自動販売機。普段気にする人の視線を無視して、軽くステップを踏む。階段の隅にいた、蝶々の死骸など、もう、目にも留まらなかった。



(あとがき)

以前、Twitterの方で、アンケートをとらせていただいた際に、「小説書いてほしい」に一票入れてくださった方がいたので、こちらで自由に書かせていただきました!

ちなみに、ほぼ実話です。マジで炎天下の中、テスト受けさせられました。拷問……😌

最後に、読んでくださり、ありがとうございます。また、ぼちぼち書いていく予定なので、読んでいただけたら、幸いです。

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