駐妻とユーミンとわたし
散らかった部屋、乾燥機から出したままの洗濯物、ゴーと懸命に音を立てる食洗機。
ラインやSNSなど少しの間携帯に没頭して、ふと紅茶を飲もうとケトルでお湯を沸かしに立ち上がると、あ、ネットスーパーで買い物もしとかなきゃと脳裏に浮かぶ。
現実世界は、やらなきゃいけないことが多すぎる。
ひとつひとつは大したことない。だけどそれをもくもくと、毎日、ひとりで。
一度気持ちをリセットしたいと切実に思う。
とりあえず一旦日本帰ってリフレッシュしたい。実家の母の料理を食べながら話を聞いてもらったり妹と気の置けない適当な会話をして笑いあったり、そんな何気ないことが、したい。
駐妻のいちばんつらいのはしんどいときに頼れる身近な人がいないこと。
近所に住む夫の同僚やその家族はもちろんいい人ですごく良くしてもらってるけど、それぞれ家庭があるわけで、安易に助けを求められるわけではない。
かといってわざわざ親や日本にいる家族に電話するのでもない。
一番近い夫も、やはり仕事があるわけで家庭や育児のことは全部対等に、とはいかない。
なにか一つでもやって、床についてくれたら楽なんだけどなあ。
朝起きてこのカオスな部屋が魔法のように綺麗になっているということはありえないわけで。
そんなとき、ユーミンのこの歌詞が浮かぶ。
この神さまって、実はお母さん(お父さん)のことだよね?
いつのまにか先回りしてやってくれてて、助けられてて、私にとってはお母さんがきっと神さまだった。
親となったいまは私が神様になる番。
だけどそんな大層なプライドもある神様でなく。
部屋を散らかしたままま明日の朝一緒に子供と片付けようと思ったり、(そうは思うも子供はしてくれるはずはなく怒りながら1日は始まる)すっきりしないままベッドに入ることもしばしば。
不思議に夢は叶えられないかもしれないけど、後半のこの箇所だけできていれば私の神さま論は完璧ってことでいいかな?
うんそれなら、絶対できてる。
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