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朝日山城址と朝日稲荷神社(散歩)

久々の晴れ間をぬって、藤枝市仮宿にある朝日山城址の河津桜を見に行った。桜のある展望台へ行くまえに、朝日稲荷神社を参拝。木々に囲まれた真っ赤な鳥居と奥に続く薄暗い参道階段が、見事に外界との境界線を演出している。

藤枝市、朝日稲荷神社入口(2024.2/26)

つづら階段をしばらく上ると再び鳥居が見えてくる。鳥居と同じく拝殿も真っ赤だ。駐車場は小さく道中も決して楽ではない神社だが、建物が立派で手入れが行き届いていることに驚かされる。地元の人たちに大切にされているのだろう。

朝日稲荷神社拝殿、正面を避け遠間から(2024.2/26)

朝日稲荷神社の主祭神は倉稲魂命(うかのみたまのみこと)。「うか」は穀物を意味しており、伏見稲荷大社の主祭神「お稲荷さん」としても有名だ。

朝日山城址展望台(2024.2/26)

朝日稲荷神社を下りながら案内看板に沿って進むと、展望台が見えてきた。目当ての河津桜はだいぶ散ってしまっている。連日の雨の影響かと思ったが、いくつかの木には緑の葉が混じりつつある。河津桜の見頃として2月末は少し遅かったのかもしれない。

朝日山城址展望台(2024.2/26)

朝日山城が建てられたのは室町時代初期。当時この地域を守っていた岡部氏が築いたとされている。その後、岡部氏は1590年に下総(現在の千葉県北部、茨城県南部あたり)に移動となり、朝日山城は廃城となった。

現在、朝日山城がどのようであったかはわかっておらず、朝日稲荷神社の背後に曲輪(くるわ)と土塁(どるい)が見られる程度だ。出曲輪のような平地の展望台からは、南北に広がる町並みと畑が見える。往時にも防衛や索敵以外の目的で、人々はここからの眺望を楽しんでいたのではないだろうか。

どこからか梅の香が漂ってくる。桜に囲まれたスペースには藤棚が作られている。戦のために作られた城。いまは季節の花々に包まれている。

朝日山城址展望台(2024.2/26)


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