教則本は必要?

 これからベースを始めようかと思っているみなさん、こんにちは、D年ベースのLDJCL(@c_ldjcl)です。なんでこんな発音できない名前にしたのかと毎秒後悔しています。


 突然ですが、ぼくはベースを本格的に始めてそろそろ3年になります。腕前としては、まあ初心者は脱したかなあというくらいです。
 さて、流行に乗って過去を振り返れば、はじめてベースを買ったのはもう何年も前のこと、当時高校生だったぼくはyesのベーシスト、クリス・スクワイアに憧れて、とはいえリッケンバッカーを買えるだけの金はなかったので、モノグラムなるメーカーのコピーモデルを買うことにしました。音楽の授業でギターはやっていたものの、ベースはまったく未知の楽器。とりあえず教則本を1冊買って、練習することにしました。が。


クソムズい

そう、初心者向けを謳っていない限り、教則本が初心者を相手にしているわけがないのです。つーか初心者向けだったらそう書いてるわ。
というわけでぼくはさっさと挫折しました。具体的には16ビートと左手ミュートができませんでした。
 ここで、「最初から初心者向けの教則本を買っておけばいいんじゃね?」という意見もあるでしょう。しかし当時ぼくはベースを指で弾く気などさらさらなく、初心者向けベース指南書は全く役に立たないと思っていたうえに(本当はそんなことないのですが)、そもそも初心者向け教則本は初心者を脱したときに不要になるのではないかと考えていたのです(これも間違い)。
結果、ぼくがまともにベースを弾けるようになったのはいまの師匠と出会ってからでした。


「やっぱり教則本より人に習う方が早い」という意見はまったく正しく、本をいくら読んでも自分のフォームは直してくれませんし、課題が定期的に与えられるわけでもないので自力で目標を設定し続ける強靭なメンタルが必要です。曲のコピーと違って有名バンドとの変な一体感もありませんし、練習曲ができたところでそれをライブで演奏するわけでもありません。挫折の経験はかなり後を引くので、しないに越したことはないのです。
 それでも教則本は有効です(金を出して買っているからにはそう信じたいという気持ちもあります)。要するに、問題は使い方なのです。
 教則本にはいろいろなパターンがあります。特定のテクニックだけ磨くもの、リズムに特化したもの、まんべんなくやるもの、等々です。まず、どのタイプの教則本にも当てはまるのは、


必ずしも1ページ目からやるのが正解ではない


ということです。演奏難易度とページ順が対応していない教則本は珍しくありません。そういうときは、難易度の目安があればそれに従ったり、あるいは各章の1ページ目をやったり、本によって工夫する必要があります。
とくに、特定のテクニックの習得を期待している場合、


自分の目標と本の内容が合っているか確認する


ことはとても重要です。期待とずれていたから返品、というわけではなく(万人の期待を満たす本なんてないでしょう)、自分がやりたいところだけやるのです。万能最強ベーシストを目指しているなら当然全部やるべきかもしれませんが……
 まんべんなくテクニックをさらった、いわゆる「基礎トレ」的な本の場合、ほぼすべての基本的な奏法やテクニックが網羅されていて便利です。しかし、それだけたくさんの内容があれば、いままで挑戦してこなかった奏法の1つや2つ、あってもおかしくありません。そういうときこそ、


あえて初心者向けの教則本で1から確認する


ことが重要になります。焦って前に進んでもいいことはないですし、逆にできないと早合点するのも無意味でしょう。

 そして最後に、これが一番重要ですが、


一つ一つの練習曲を妥協しない


これに尽きます。大学生が暇という言説はまったくのフェイクニュースですが、それでも4年間、好きなことをする時間は結構あります。初心者だから、スタートが遅いからと焦らず、一歩一歩曲をクリアしていく以外に上達の近道はないのだと信じてやっていくしかありません。手本となる音源をよく聞いて、真似するのです。
 ベースは旋律とリズムの両方が重要な楽器で、責任がかなり重いです。ギターが何人適当こいてても、ボーカルがふしぎなおどりをしていても、ベースだけはドラムと協力して、曲を前に進めていかなければならないのです。だからしっかり基礎練習を積む必要があるのです。ここまで書いていて、ぼくは自分の耳が痛い。ヘッドホンを長くつけすぎたんでしょうか。耳鼻科に行くので今日はここまでにしたいと思います。

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