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①先天性心疾患、内臓逆位です

あらまし

初めまして、最初に自己紹介させてください。関西圏に住む会社員の30代男性です。妻と長男(2歳)と犬2匹で暮らしています。10月中旬に次男のイブ(仮名)が3000グラムちょい超えで生まれましたが、やっかいな心臓病(先天性心疾患)をもって生まれたためまだ家でお迎えはできていません(泣)

食いしん坊の2匹

この記事は病院で書いており、本日2022年10月27日は次男が心臓の手術(かなり大きいみたい。全身の血を抜いて、人工心臓を付けて手術、その後に心臓を再び動かすという…現実か)を受けている最中です。

次男の主な病名

  • 単心房、単心室

  • 内臓逆位

  • 総肺静脈環流異常

  • 肺静脈狭窄

  • 肺動脈閉鎖

  • 房室弁逆流

  • 動脈管開存.....

こんなの覚えられんわ!

たぶん、病名はまだまだあるでしょう。
先天性心疾患で生まれたら、幼年期までに3つの手術を受けて最低限の日常生活を送れる程度まで心肺機能を作り替えるのが理想とされています。
イブが受けているのは、その最初の手術です。

手術の説明(難しめ)

先天性心疾患というのは100人に1人の割合で生まれてくるみたいで、心臓の4つの部屋に穴が空いているもの(心室中隔欠損症)など種類がいくつかあります。イブと一緒に生まれてきた上の心臓ちゃんは先天性心疾患の中でも重症な部類に入るみたいで、先生からは最初の手術の致死率は10%程度(通常の10倍程度)と説明を受ける…

手術の目標①:体中から集まった血液を右心室から肺へ送るための人工血管の取り付け。またイブは心臓から肺への血流が強すぎるので、この人工血管にクリップをとめて少し流れを弱める。体が成長して血流が相対的に弱くなったと判断されたら、カテーテルを通してクリップは回収される予定だ。昔は血流を弱めるプロセスを踏まなかったため、手術後に亡くなる子供が多かったという。
手術の目的②:しぼんだ動脈管の除去。動脈管とは、胎児がお腹の中にいるときにお母さんから取り入れた酸素を体に循環させるための通路だ。出生後に肺呼吸が始まると役目を終えるため自然に消滅する。先天心疾患のイブは出生後に動脈管がなくなると生きていけないため、痛み成分もあるプロスタグランジンという薬を投与して動脈管を人工的に開存していた。動脈管は今回の手術をしたら必要なくなるため、投与を中止して収縮させる。この縮んだ動脈管が狭窄の原因になるため、除去する。
手術の目的③:心臓内の血液の逆流の防止。心臓には房室弁というそれぞれ左右の心室と心房を隔てる弁(下図参照)があり、血液の逆流を防ぐ機能を果たす。イブは「単心房」と「単心室」のため心房と心室が左右に分かれていなく、心臓に2つしか空間がない構造となっている。そのため弁が機能せず、心臓内で血液の逆流が起こっていた。この弁を手術で手を加え、逆流しないようにする。

正常な心臓

イブの心臓は右側相同といい、左右両方が右側という構造だ。脈拍の司令塔は右心房がつかさどるため、司令塔が2ついる状態。そのため指示が混在し、不整脈のリスクも高いという。また先天性心疾患の手術後に併発するリスクのある乳び胸を発症すると栄養が取りにくくなる。

手術時間は朝10時ごろ開始で、早くても午後7時までかかる想定だ(先生の体力!)。昨日に先生から手術の説明を受けたが、「退院はいつごろでしょうか?年越しまでには…」と聞いたら「正月を一緒に過ごそうとしてやがるな!う~ん、そのころまでにはと職員にハッパを掛けておきますよ」との言葉をいただいた。先生は声が大きく、ハイテンションなのだ。神妙な態度で説明されるよりもなんだか頼もしい!

手術終了の連絡が…


手術室に向かうイブ。元気な姿を見るのが最後の可能性もあった

手術日当日の流れ

  • 午前8時    病院着、イブがいるNICUへ行き手術前の面会

  • 午前8時半過ぎ イブが手術室へ。NICUに置いてあった千羽鶴なども引き払い

  • 午前9時ごろ  手術後に入るICUについて面会などの説明。        

  • 午前10時ごろ 手術開始

  • ~病院で待機~

  • 午後5時すぎ  手術終了の連絡

  • 午後6時20分 イブと面会、先生から結果の報告

手術は早ければ午後7時に終わるといわれていたため、5時に電話が鳴ったためプロセスが全て終わらなかったのかと不安が募った。しかしICUに入ると、先生からは「予定していた手術はすべて終わりました」!イブは人工呼吸器につながれており眠った状態。前述した肺への血流を調整するクリップの締め度合いをすぐに調整できるようにし、また心肺への圧迫を軽減するためイブの胸骨は開いたままの状態だ。手術後の顔は、不思議と2歳の長男の寝顔にすごい似ているように見えた。

手術後は急に容体も悪くなる可能性もあるため、電話が( ゚Д゚)来たら出られるようにと伝えられた。場合によってはECMOをつける必要があるため、その承諾を得るためなどだ。そのため、妻と私の携帯がなるとドキッとする日々が続くことに( ゚Д゚)

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