夕方の空と「まげでらんね」
5月となると、太陽が沈んだ後、空にはまだ夕日が留まっている。
西を背にして白いビルを見上げると、ビルは夕焼け色の化粧をまとい、その上に広がる空は、青空が、さらなる鮮明な青に感じる。
夕日のいたずらだろうか。
周りの木々のみずみずしい緑も、深い緑色となり、静寂の空気を、より鮮明に感じさせる。
一年の季節の中で、すがすがしい夕方は今なのかもしれない。
そんなすがすがしさが言わせたのか、空を見上げて、知らず知らずに呟いていた。
「まげでらんね」
東北の方言、理解していただけるだろうか。
「負けてはいられない」という意味なのだけれど、発音のイントネーションが様々あり、
また、それによって気持ちの状態が違ってくる。
低い声で棒読みのように吐き捨てるように言うと、こんなことに負けていられるかと、自分を鼓舞するようなもの。
少し高い声で、軽く言うと、こんなこともあるのかぁ、しょうがないなぁ、負けちゃいられないなぁ、と自分を納得させるようなもの。
この2つの言い方は、両方とも人へ向けて発する言葉ではなく自分へ向けた言葉として呟くけれども、私の勝手な解釈であり、方言の先生に指南していただきたいくらいである。
夕方に呟く「まげでらんね」は、明日へ繋がっていくかもしれない。
慣れるまでは大変だけれど、一度、呟いてみてはどうか。
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