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リンダリンダラバーソールを読んだ

オーケンのリンダリンダラバーソール読了。
今更説明するまでもない大槻ケンヂの傑作。
バンドブームから30年経った今読むのもなかなかよいです。

3ヶ所、後世に語り継ぎたいところがあったので記す。

「あのね、多分、大人になるって、逃げ出せないことと、面と向かい合うことなんだと思う。今逃げたってまたピンチは来るの。逃げ場なんてない。」

大槻ケンヂ著リンダリンダラバーソール ビター・スイート・サンバ より

有名性とはどういうことなのであろうか。
それは、いわれのない愛情と憎しみとを一身に受けることだ。有名性=成功とノンキに考えていた期間はアッと言う間に終了する。それからは、ねたみや嫉妬や、その他さまざまな負の感情の対象としての自分に気付き、壊されないように心を制御していかなければならない。また、そんなやっかいな有名性から、ころげ落ちる不安感とも面と向かっていかなければならないのだ。
「運なんてものはな、いっつもころがっているんだよ。それをお前はたまたま拾っただけなんだ」

大槻ケンヂ著リンダリンダラバーソール 青年が有名性を得るということ より

ロックとは、おそらく音楽の神様とか、そのあたりのスゴイ存在が、「自分はこの先、どうなるのだろう?」と悩むボンクラ野郎の弱い心を、癒やし、励まし、強く、優しいものに変えるために作ってくれた、宇宙の歴史始まって以来の画期的な発明なのである。差別なく若者の精神を支え、彼らに、夢を与え、友を作り、天空まで高くほうり投げてくれる。
ロックは必ず人を救う。だから逆に、ロックによって一度でも救われたことのある者は、この大発明に”恩返し”をする義務がある。最も簡単な方法は、バンドを組み、自らもロックを奏でることだ。この大発明の素晴らしさを次世代のボンクラ野郎どもに伝道していくために。

大槻ケンヂ著リンダリンダラバーソール 文庫版あとがきより

神は我にロックンロールを与え給うた。
いつでもロケンロー。

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